平成29年度木材コーディネート研修会第2回

2018年3月16日
平成29年度木材コーディネート研修会第2回目が開催されましたのでレポートいたします。


【研修会概要】

日時 :2018年3月10日(土) 13:00 ~ 17:00
会場 :近畿中国森林管理局
運営 :木材コーディネート研究会平成29年度世話役
テーマ: 「地域材」ブランドに頼らない「生産者ブランド」は可能か?
情報提供:安田哲也(NPO法人サウンドウッズ代表、兵庫県、平成29年度受講生)
     戸田昌志(戸田材木店経営、大阪府、平成26年度受講生)
     能口秀一(有限会社ウッズ代表、兵庫県、木材コーディネート基礎講座講師)
内容 :
   12:30 受付開始
   13:00 はじめに
   13:15 話題提供
      「地域材を取り巻く現状」 安田哲也
   13:40 事例報告
      「「地域材」ブランドに頼らない販売戦略
       ~自社製品の商品化について~」 戸田昌志
   14:30 事例報告
      「木材コーディネーターとして取り組む森林所有者支援
       ~森林所有者の主体性を生み出すために~」 能口秀一
   15:40 グループワーク
      質疑応答・多様な資源活用の事例
   17:00 おわりに

【研修会内容】

第2回の議論のテーマは「森林所有者に収益をもたらす森林経営サポートのための木材コーディネート」とし、これに向けて、森林資源価値の最大化のために木材コーディネーターのかかわり方として、「木材販売方法」と「森林の多面的活用」について事例報告をしていただき、議論に入ります。

話題提供:「地域材を取り巻く現状」

NPO法人サウンドウッズの安田が、はじめに前回の振り返りを行い、参加者の記憶をよび戻しました。
前回の最後に議論した「森林経営計画作りが森林所有者にもたらすメリット」のおさらいです。
第二回から参加される方には、資料による予習をお願いしていたので何とかついてきていただきたいところです。

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次に、近年よく使用される「地域材」について使用する主体により意味合いが少しずつ異なっていることについて説明がありました。
特に政府が使う「地域材」とは、「国産材」のことだそうです。
また、前回の研修会でよく耳にした認証材についても、品質を保証しているわけではない、と説明がありました。
基礎講座でも触れている点ですが、かなりの復習になりました。


事例報告:「"地域材"ブランドに頼らない販売戦略~自社製品の商品化について~」

本日話題提供していただくのは戸田材木店の経営者、戸田さんです。木材の販売のほか、木材について小学校へ出前講師されるなど、木材についての知識の普及を進めています。

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街の材木屋さんとして自己紹介されましたが、基礎講座で製材所を訪問しているためそのイメージを持ちますが、街中での材木屋がどのような仕事(取引)をされているのか説明していただきました。
建材を必要とする業者だけでなく、一般のお客さまにも販売されているとのこと。
一般のお客様への販売は、購入を判断していただくためにも木材の情報をきちんと提供していくことが大切ですが、同時に木材の生い立ちや一般にはわかりにくい価格の差について説明できると、尚更、安心して購入していただけるとのことです。

また自社ブランドを展開されているとのこと。
市場のニーズを汲むなどいろいろマーケティング手法もありますが、自分の夢を詰め込んだ商品を展開されているそうです。
自信をもって商品説明ができるため、お客様に安心して購入していただくことにつながるのではないでしょうか。
売り込むより、気になって見に来ていただき、買っていただく。ここに何やらヒントがありそうです。


事例報告:「木材コーディネーターとして取り組む森林所有者支援~森林所有者の主体性を生み出すために~」

基礎講座でもお馴染みの能口講師より、森林所有者の主体性を生み出すための取り組みについて紹介していただきました。
能口さんが経営されている有限会社ウッズでは、立木・原木を見極めて製材し販売する以外にも、地域の方が地域の森林をどのように管理していくのか仕組みづくりを支援されています。
今回は、地域の方が森林経営していく仕組みを作るうえで、森林経営計画の作成とのつながりを伺うことが出来ました。

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地域資源活用を前提として森林調査に入る時は、森林活用するゾーンと木材利用するゾーンを見極めるようにしているとのこと。
森林活用とは「空間利用」。地域の人が山に入ってレクリエーションを行うための場所です。
原木調達のために山に入ることがあっても、森林活用と木材利用の計画を立てるには、森林全体像を見る必要があるとのこと。

森林経営計画を作成するために、森林全体像を見る機会が得られるなら、地域の人がその山をどのように活用するのか、そのためにはどのような施業が要るのか相談しながら決めていくことができる。

木材利用ゾーンについては、良い品質の立木の個所を地図に落とし込み、伐採して製材したときの品質情および価格情報を正確に管理していけるようにしているとのこと。情報を元に同じ林相の価値が算出でき、施業の方針が立てられる。価格決定の仕組みをきちんと作れば、山主のやる気につながる。

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森林経営計画の作成は、単に最低限の施業計画を立てるのではなく、地域を巻き込んで地域の将来を一緒に描く機会にすることができるのではないでしょうか。


グループワーク:質疑応答・多様な資源活用の事例

3グループに分かれて、事例報告の内容について疑問点を抽出し、解消しました。
それでも解消しない疑問については、全体で共有し、講演者に質問し回答をいただきました。

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主な質問は次の通り
「戸田材木店の生産者ブランドとは産地・素材製造・製材業のどの業種の名前になるのか」
・その製品を作り出したときに最もこだわりが強かった人の名前

「戸田材木店のヒット商品はなんですか」
・(木材の背景や用途をしっかり説明できる)パネル式床材です

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「能口さんの森林全体像を見るときの手法はどうやったら習得できるか?何に着目しているのか?」
・手法は特にない。ざっくりとみている。後で記録が残せるように配慮している。

「どうやって需給をマッチングさせているのか」
・顔が見える範囲で行い、需給について無理をしない。
・在庫を持たなくしている。不足の場合は同業者に連絡して融通してもらう。


「地域に森がなく他地域に頼りたい場合はどこから話をつければいいのか」
・地域材や流域材などこだわりをもって。
この質問については、各木材産地から是非利用していただきたいとアピールがありました。

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その後、「多様な資源活用の事例」に移る予定でしたが、時間がなくなり、三回へ持ち越されることになりました。


【次回の研修会】

第3回木材コーディネート研修会
日時 :4月21日(土) 13:00 ~ 17:00、4月22日(日) 9:00 ~ 12:00
集合 :静岡県立森林公園森の家
案内 :山田真弓(MORI-IKU代表、静岡県、平成27年度受講生)
受入 :天竜林研グループ
内容 :具体的な森林管理および木材販売事例に学ぶ(静岡県天竜地域編)