平成29年度木材コーディネート研修会第3回

2018年5月01日
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平成29年度木材コーディネート研修会第3回目が開催されましたのでレポートいたします。

【研修会概要】

<第一日目>
日時  :2018年4月21日(土) 12:55 ~18:00
会場  :静岡県浜松市天竜区
運営  :木材コーディネート研究会平成29年度世話役
受入  :天竜林業研究会(ファシリテーター:山田真弓)
案内  :鈴木将之氏、鈴木健太氏、熊平智司氏、森下広樹氏
テーマ :具体的な森林管理および木材販売事例に学ぶ~静岡県天竜地域編~
内容  :
   12:40 西鹿島駅集合・受付
   12:55 第3回研修会はじめに(船明運動公園駐車場)
   13:30 視察地1「鈴木耕治様所有林」見学
   15:55 道の駅「くんま水車の里」休憩
   15:20 視察地2「熊平智司様所有林」見学
   17:00 視察地3「すずくま磨き丸太工場」見学
   18:00 第1日目おわりに

<第二日目>
日時  :2018年4月22日(日) 9:00 ~12:00
会場  :静岡県立自然の森公園森の家・大会議室
運営  :木材コーディネート研究会平成29年度世話役
受入  :天竜林業研究会(ファシリテーター:山田真弓)
アドバイザ:鈴木耕治氏、太田誠氏、森下広樹氏
テーマ :木材販売戦略を立案
内容  :
     9:00 第2日目はじめに
     9:15 ワークショップ「天竜の森と材の強みとは」
   10:30 ワークショップ「強みを活かした商品・サービスを想定ターゲットへ」
   11:25 ワークショップ「発表:指名買いしていただけるようなファンを育てる
            製品・サービス」
   11:50 天竜林業研究会による講評
   12:00 第3回研修会おわりに


【研修会内容】

研修会が最終回になり、今年度研修会で得たことを元に、どのように森林経営を支援していくのか
実際に林業地域に出向いて、現行の施業より得られる材を念頭に考えていきます。

第1日目

大変良い天気に恵まれました。
まず船明(ふなぎら)運動公園駐車場に、天竜林業研究会の本日ご案内いただく方と
受講生全員が集合しました。

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開会式として、案内してくださる方のご紹介や本日の流れと目的について説明がありました。
ここより、天竜林業研究会にも所属している木材コーディネーターの山田さんが
ファシリテーターを担当します。


視察地1:鈴木耕治様所有林

駐車できる道沿いからアクセスできる、入りやすい山をご紹介いただきました。
下層植生が多く、「林立」ということばしか浮かばないほどまっすぐで立派な針葉樹。
大変良い天気だったこともあり、日差し輝く明るい森に、受講生は思わず息をのみました。

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施行についての説明は、所有者のご子息の鈴木健太さんが担当されました。
「いりやまき」13代目に当たるそうです。
もともと林業地ではなかったが、西川林業地へ修行にいかれて「二代木」施業をはじめられたとのこと。
背の低い細い木は30年生、背が高く太い木は80年生として育てておられるそうです。
太い木のそばで植林すると初期成長が抑えられるなど、なるほどとお話を伺いました。


植林については、鹿との闘いらしく、対策として柵を講じると搬出が難しくなるので
苗策を設置せずに下層植生によって鹿を寄せ付けないようにしているとのこと。
現地へ行くと、試行錯誤されているのがよく伝わってきます。


視察地2:熊平智司様所有林

道の駅「くんま水車の里」で、「やましち」12代目の熊平智司さんが合流されました。
休憩をしたのち、清流沿いを進んだところの森をご紹介いただきました。
少し太陽が傾く中、おだやかな風が抜ける森で作業道が広めに敷いてありました。

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土壌によりスギとヒノキの植生地が分かれているとのこと。
枝打ちがされている箇所とされていない箇所がはっきりとわかるのですが、
枝打ち材として有望な立木のみ施業されているとのこと。
ある程度の高さからは枝が伸び放題になっているので、よくわかります。



磨き丸太や鯉のぼりの竿向けになる丸太材を販売されている他、
シキミやサカキも手掛けていらっしゃって、針葉樹だけではなく山全体を通して
林産物を出荷されていることも伺いました。
また、設計図面から必要な材を見出す製材所と協力して川下への販売にも
取り組んでいると説明いただきました。

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視察地3:磨き丸太工場

鈴木将之氏と熊平智司氏が共同で「すずくま」ブランドとして
生産している磨き丸太工場に伺いました。

艶やかな木の肌を見せている磨き丸太が壁に立てかけてありました。
屋内に入るとさらに立派な磨き丸太が並んでいて圧巻です。

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別棟では、磨き丸太をスライスして家具向けに仕立ててあったり、
枝付のまま木の皮が剥かれて、ユニークな表情をみせている磨き丸太材もありました。

保育所などの施設には枝付の磨き丸太が好評だそうです。
施設の真ん中に設置するケースが多いそうです。

日も陰ってきて明日のワークショップの題材にできるか思案する人もいたのではないでしょうか。

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第2日目

ワークショップ「木材販売戦略の立案」

翌朝より、昨日視察した森林を思い出しながら、ワークショップが始まりました。
昨日視察に同行していただいた方の他、別の方も、アドバイザーとして参加いただきました。

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まずは、事前に事務局がヒアリングした「天竜林業会がいだいている課題と現状」を
共有したうえで、さらに、昨日見学した視察地の印象を共有を図ります。
4グループに分かれて、グループごとにまとめ発表して会場全体で共有します。

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販売物となる「立木」だけでなく、森林や施業・立地・携わる人について、と
包括的に意見が出され、この時点で「木材」以上のものを販売戦略に盛り込んでいこう
という意識が醸成されたように思います。

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次に、強みを活かした商品・サービスとターゲットについてメンバーの意見を
グループの意見をまとめていきます。
これがなかなか時間がかかります。
これまでの取り組みや施業についての補足などは、二日目にご参加いただいた
鈴木耕治様、太田誠様、そして初日より同行いただいている森下広樹様に
グループ間を回遊しながら説明いただきました。


各グループに、森林林業分野・流通分野・利用分野とそれぞれメンバーがいるので
過去の経験や凡庸な意見にするどいツッコミが入り合いまとまりません。
「天竜材」のメリットを考え抜いて、なんとかカタチができたでしょうか。
第1回目で学習した「森林経営計画」にそれぞれどのように反映させるか、
盛り込んでいただきました。


制限時間いっぱいになり、用意できた班から発表することになりました。
建築への展開 2グループ
企業への連携展開 1グループ
芸術家との融合展開 1グループ

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最後に、天竜林業研究会の方からは次のような講評を頂きました

・川下の視点の意見を聞く機会が少なかったので良かった

・外部の提案を聞くことにより山主の保守化や発想の硬直化を防ぎたい

・建築を通して、幼少期からの木材利用者の育成は興味深い

・建材以外の木材利用の可能性について興味深い  ほか

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内容の濃い二日間でした。
2月から続けてきた連続講座の研修会は、
座学の後の視察は大変有意義で得るものが多かったと思います。

天竜林業研究会のみなさま、視察を受け入れていただきありがとうございました。
今後是非とも木材コーディネーターと連携いただければと思います。

今年度3回にわたって開催した研修会については木材コーディネート研究会まとめをいたします。