FOREST LOUNGEアーカイブ

実習1・2木材コーディネート基礎講座(平成30年度)

2018年10月15日
木材コーディネート基礎講座の第3回・第4回が丹波市で一泊二日の合宿形式で行われました。
今回は、インターンシップ生の井上、福田の順でレポートいたします。

大阪方面からの電車が遅延した影響で、予定より遅れてのスタートになりました。

第3回と第4回の講座は以下の通りです。

【講座概要】

第3回
日時 :10月13日(土) 10:00~21:00
講師 : 能口秀一(有限会社ウッズ・木材コーディネーター)
中島彩(有限会社ウッズ)
宮川五十雄(NPO法人森の都研究所)
事務局:安田哲也、井上淳治
インターンシップ生:井上峻太郎、福田花梨
場所 : 前山コミュニティセンター
前山(さきやま)地区
丹波市立休養施設やすら樹・研修室
内容 : 森の健康診断11:00~16:30
ワークショップ19:00~21:00
第4回
日時 :10月14日(日) 08:30~16:30
講師 : 能口秀一(有限会社ウッズ・木材コーディネーター)
事務局:安田哲也、井上淳治
インターンシップ生:井上峻太郎、福田花梨
場所 : 丹波市立休養施設やすら樹・研修室
サウンドウッズの森
有限会社ウッズ製材所
内容 : 演習講座1・208:30~12:00
演習講座3・413:00~16:30


【講座内容】

<講座レポート1 作成者:井上峻太郎>

第3回マーケティング実習「森の健康診断」

最初に午後の実習に向けて講師の中島氏による「森の健康診断」についての座学を受けました。
森の健康診断とは、「(林業に対する知識のない)一般の人が、人工林の健康状態を、身近な道具と、簡単にできる方法で、楽しみながら調査する」という調査方法です。
データの集積だけが目的ではなく、一般の人々が人工林に入る機会を増やすことで、人工林の現状を広く認識してもらおうという意図があるそうです。

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講義では間伐の必要性、間伐する際の判断基準などを教わり、健康な森林とはどんな状態で、その程度をどう判断すればよいかイメージできました。
ただ闇雲に間伐をすれば良い訳ではなく、現況を知って将来の目標林型を定めた上で、それに向けた間伐計画を立てることの大切さを教わりました。

昼休憩を挟んでから、調査地へ移動して実際に森の健康診断を行います。
調査地は駐車場から10分ほど山を登ったヒノキの人工林でした。

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午前の講義で習ったことを基に、斜面や土壌の状態、下層植生、植栽木の胸高直径、樹高などを調べます。
ここで驚いたのが、様々な道具類のほとんどが、100円ショップで売っている道具など身近なものを使って工夫して作られている点です。
専門的な道具ではなくても、工夫次第で森林の健全度をかなり正確に知ることができるのです。
一通り計測を終えて林分形状比と相対幹距を求めると、どうやらこの林分は過密気味であることが分かりました。

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また講師の宮川氏には下層植生の種類を判別する際の、同定のコツを教わりました。
今回調査した林分は種数は多くありませんでしたが、そのほとんどがとても小さな稚樹や草本だったので見分けるのに苦労しました。


第3回ワークショップ

夜は森林をフィールドとした市民参加のイベントを計画して、事業コンセプトの立案手法を学ぶワークショップを行いました。

まず森林の所有主体をグループごとに決めて、そこで考え得る現状の課題を洗い出します。
その森林の将来像を考えたときに、現状での課題解決のためにどのようなイベントを企画したらよいか案を出します。
私のグループでは間伐体験、ツリークライミング、ジビエ料理を組み合わせたイベントにしようというところまでは決まりましたが、参加費や定員など細かいところまで詰めるのに苦労しました。

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最後にグループごとに発表し、講師の方から講評を受けました。
「参加者と、森林の課題解決ばかりに目が行きがち。主催者は誰でどんな目的を持っているのか?」と指摘があったことが印象的でした。
参加者を満足させることと森林のことを考えていても、主催者が明確に定まっていなければ運営できません。

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実際にやってみるとなるとまだまだ検討すべきところはありそうです。



第4回演習1・2 森林の施業と原木の品質

初めに能口氏から本日の演習の流れと使う道具の紹介があり、これから見学に行く山林の所有者である山口氏からも山林の概要を説明していただきました。
その後サウンドウッズの森へ移動し、山口氏の所有林の中で演習が行われました。
ここではグループごとに森の中の木を選び、よく観察して計測することで、立木状態で把握できる品質特性について学びました。

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今回は専用の機器を使って、木の胸高直径や樹高、枝下高などを計りました。
また、機械での計測だけでなく木の曲がりや節の跡の確認方法も教わりました。

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どのあたりでどのように曲がっているのか、かつて枝がどこにあって節になっているのか、よく見ないと分からないので、受講者の皆さんはじっくりと木に向き合っていました。
立木の段階でもその品質をよく見極めることでその利用価値を予想することはできるのです。


第4回演習3・4 木材の計算・木材のグレーディング

午後は有限会社ウッズの製材所へ場所を移して、今度は原木や製材品について、品質の特性を学びました。

まず、原木を切った際の木目や節の出方を教わり、実際にたくさん並んだ丸太の曲がりや節などを確認しました。
欠点の中にはモメ、葉節といった一見分かりにくいものもあり、原木の段階でも評価は簡単ではないと感じました。

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次に、グループごとに一本原木を選んで、木取りをどうすべきか考えました。
材の状態を見ながら製品をどのように切り出せば良いか相談しながら試行錯誤を重ねます。
歩留まりを少しでも良くしようとしましたが、原木の僅かな歪みなどが相まってなかなか思い通りにはいきません。

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さらに、「ただ歩留まりを高めればよいわけではなく、それぞれの材の利点、欠点を考えて製品になった時の価値を考慮しなければならない」と能口氏に言われ、木取りの難しさが身に沁みました。

製材所の中では、製材された製品のヤング係数や含水率の測定についても実物で確認できました。
本来製材された製品には乗ってはいけないそうですが、今回は年輪幅の異なる角材のヤング係数の違いを体感するために、上に乗ってたわみ具合を確かめました。

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角材の上で軽くジャンプしてみると、確かに目の粗いものの方が歪みが大きいことを実感できました。
また含水率についても、乾燥の有無や、節の多少で値が変化することを確認できました。



<講座レポート2 作成者:福田花梨>

第3回マーケティング実習「森の健康診断」

講師は中島彩氏です。午前中は、午後から実際に行う「森の健康診断」について基本的な知識を座学によって学びました。
「森の健康診断」とは一般の人が人工林の健康状態を身近な道具を使って簡単に楽しみながら行う調査のことです。
調査方法はマニュアル化されており、誰でも簡単に行うことができます。

中島氏は、木の間伐が必要な理由や森の保水力の仕組み、森の状態によって変わる木の特徴などを、小さい子供にもわかるイラストを用いて説明してくださいました。

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木材コーディネーターは専門の知識のない方にもわかりやすく説明することが求められます。
小さな子供にも伝えられることは、とても大切なことです。
この講義では「森の健康診断」の予備知識だけでなくわかりやすく伝える方法も、学ぶことができました。

午後から調査現場の山のまえで、調査対象の森林について話があり、
不慣れな人には歩きにくい山道を進み、目的地のヒノキ林に到着しました。

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早速座学で説明のあったマニュアルに沿って調査を進めていきます。
調査は大きく分けて、調査地の設定・人工林の植栽木以外の植生調査・植栽木の混み具合調査、の3段階に分かれます。
どの段階でも、距離や立木の樹高を1人や2人では測定できないので全員で協力して調査を進めました。また、使用する道具は身近なものを使うという「森の健康診断」のコンセプト通り、ほとんどが100円ショップで揃うものでした。

植生調査では宮川五十雄氏が講師となって、まだ大きく成長していない植生の分類や特徴の見分け方など細かく説明してくださいました。

最初に採取した時は同じように見えた植生も葉の表面に生えている毛の色や葉の裏の色など、細かい部分に注目すると、全く違う植生でした。

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混み具合調査で最も難しかったのは、樹高の測定です。
立木の高さは測ることができないと思っていたので、道具を使えば測定できると知り驚きました。

まず梢が見える位置を探すのですが、林の中なので難しく、協力して探しました。
測定には尺蔵と呼ばれる道具を使います。
この操作も難しく、苦戦しましたが、何人か測定しておおよその樹高を調べることができました。
私たちが調査したヒノキ林は20m前後の樹高がありました。

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調査した結果、調査地のヒノキ林は過密状態であることがわかりました。
木を伐採して適切な密度にすることによって低木が育ち、森林の植生の多様性が出、災害に強い森林ができます。


第3回ワークショップ

能口氏、中島氏、宮川氏が講師となり、森林に関するイベントの企画を提案するワークショップが行われました。

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A、B、Cの3つのグループに分かれ、それぞれに担当の講師がついて指導を受けながら進めていきました。
最初にどのような規模の森林を対象として企画するのかグループごとに決定し、話し合いを進めていきます。
Aグループは自治体が所有する山、Bグループは40戸程の集落所有林、Cグループは5haの個人所有林を設定しました。

それぞれの森林が抱えている現状と課題を明確にし、主催者、参加者、森林の全てに利益のある企画を提案します。
最終的に、森林の課題、イベントのタイトル、キャッチコピー、プログラム、参加費の設定、定員、広告媒体などを発表しました。

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講師からの講評によって、企画したイベントを開催するにあたっての問題点や見落としを発見することができました。
今回のワークショップは、今後、参加者の皆様がそれぞれの地域で森林に関するイベントを開催するときに活かせる内容でした。



第4回演習1・2 森林の施業と原木の品質

サウンドウッズの理事である山口氏より、所有林の歴史についての説明がありました。
多可郡の林の話はとても興味深く、皆さん真剣に聞いておられました。

次に山口氏の森林に移動し、演習を行いました。講師は能口氏です。
山口氏の森林は写真にもある通り、第3回で森の健康診断を行った森林よりも人工林以外の広葉樹が多く、明るい森林でした。

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杉林に到着すると、3人1組になって木の観察を行いました。
1グループにつき1本、観察する木を決め、曲がりの特徴や樹皮の状態、節跡の状態をじっくり見て特徴を記録しました。
立木観察の演習では見られなかった木の先端部分まで見ることができました。

まっすぐに見える木も根元から真上を見ると先端が少し曲がっていたり、節跡がないように見えてもよく見るとあったり、じっくり木を観察することで、立木の段階で推測できることも多々有ることがわかりました。


第4回演習3・4 木材の計算・木材のグレーディング

午後からは有限会社ウッズの製材所にて、グループごとに原木材積の計算や歩留まりの計算をしました。

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座学で学んだ計測の方法や計算を、実際の原木の数値を使って計算することができ、より理解が深まりました。

次に、製材した2本の木材の強度を示すヤング係数を測定する様子を見学しました。
測定する機械は、木材を叩いた時の音の周波数を測ることで、ヤング係数を算出します。
強度のある木材はない木材よりも年輪の幅が狭く、時間をかけて成長したものでした。

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2本の木材の強度を機械で測った後に、木材の上に乗ってたわみの大きさの違いを体感しました。

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次に、木材の含水率を調べる機械を使い、乾燥させた木材の含水率を測りました。
機械を木材に当てるだけで簡単に測定できるもので、節跡の部分は水分量が多いことなどがひと目でわかりました。

一通り演習が終わり、グループで出した原木の材積計算の結果や歩留まり率を全員で共有し、能口氏より、全体の振り返りがあり、解散となりました。



【次回の講座】

日時 : 11月3日(土) 13:00~16:30
講師 : 能口秀一 (有限会社ウッズ・木材コーディネーター)
場所 : 近畿中国森林管理局
内容 :座学5 木材の利用・カスケード利用(13:00~14:30)
座学6 木材の価値と価格(14:30~16:00)
考査3(16:00~16:30)

木材コーディネート基礎講座2018説明会・大阪会場レポート

2018年8月08日
西日本豪雨のため、7月7日開催予定の木材コーディネート基礎講座説明会は
7月21日順延いたしました。
7月21日に開催いたしました説明会の様子をレポートいたします。
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【説明会の概要】

日時  :平成30年7月21日(土)14:30~16:30 (14:00受付開始)
場所  :大阪木材仲買会館 大会議室
プログラム:
   開会の挨拶
   第1部 木材コーディネーターの解説、講座紹介
   第2部 基礎講座修了生のパネルディスカッション
   募集要項の説明
   閉会 (個別相談対応あり)
登壇者 :
   山田真弓(平成27年度受講生)
   田中良平(平成25年度受講生)
   宮村 太(平成27年度受講生)
第2部ディスカッション司会:
   能口秀一(基礎講座講師)


【説明会の詳細】

説明会の前に、会場の大阪木材仲買会館について、
大阪木材仲買会館の事務局長であり、平成28年度修了生の大町さんが
ご案内くださいました。

木材がふんだんに使われた会館を隅々まで拝見することができました。
木材が醸し出す上品な仕上がりが、思わず参加者のため息を誘います。


<第1部 木材コーディネーターの解説、講座紹介>

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代表の安田より、サウンドウッズの概要と、木材コーディネートの必要性や、
木材コーディネーターの仕事について、説明がありました。

「価値ある森の資源を」「街で暮らしに役立て」「収益を森に還元し」
「次世代に森を継承する」「"仕組み"をつくる」

このサウンドウッズの理念を行動に移すと、

「森を育てる」「利用先を開拓する」「木材コーディネート」
「持続的経営」「事業プロデュース」

だとサウンドウッズは考えている、と解説。

そして「森を育てる」ために必要な意欲を高める仕組みを
木材コーディネートで実現していくことができると説明がありました。

つまり、木材コーディネーターは日本の木の文化と林業を
未来につなぐ仕事である、と締めくくりました。


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次に事務局より、木材コーディネート基礎講座の概要と、
木材コーディネーター認定制度について説明がありました。

基礎講座で目指すところは、森林から街まで木材を届けるために必要な
各分野の知識を習得し、ご自身の立場で得た知識を活用すること。

そのために、知識をどのように活用するかプレゼンテーションを最後に行い、
習熟度をはかるとのことでした。

テキストベースの座学、計測・製材など実技を含む演習、
ワークショップやプレゼンテーションとバラエティに富んだ講座の紹介があり、
日本全国から様々な業種の方が集まり、フラットなネットワークができる、と
さらなる魅力について紹介がありました。

基礎知識を習得していることを示す「准木材コーディネーター」、
プロジェクトを主導できる実力を持つ上級資格「認定木材コーディネーター」
いずれも基礎講座を修了することが、資格取得への入り口になると、
説明がありました。

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最後に、受講後に任意で所属することになる木材コーディネート研究会について
平成29年度代表の野間氏より、説明がありました。

受講することで受講生とネットワークができるが、所属することで
別の年度の受講生とも知り合うことができ、ネットワークがさらに広がること、
さらに、毎年企画してワークショップや視察研修など開催していること、など
自主的な活動について説明がありました。

ご自身も、基礎講座での知識が業務で役に立っているとのこと。
基礎講座の受講が、すべての入り口になることがよくわかります。


<第2部 基礎講座修了生のパネルディスカッション>

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まずパネラーの自己紹介です。

宮村氏:11年前に設計事務所を独立。地域の林業家に巡りあう機会があり、
    林業家や地元の製材所と「安曇川流域森と家づくりの会」を設立。
    木造住宅設計の仕事と家づくりの会で木とかかわる仕事に
    携わっています。(滋賀県)
田中氏:木材流通に携わっていて主な顧客は工務店、デザイナー、施主。
    山側はどのような木を育て、町側は何を欲しているのか、きちんと
    橋渡しができればと思い、基礎講座を受講。
    本業のほかにはカホンプロジェクトで木材で打楽器を製作する
    ワークショップを全国で実施しています。(大阪府)
山田氏:フリーのフォレスター。教職、青年海外協力隊を経て、森林組合
    民間の林業事業体でプランナーを経験し、昨年度独立。
    林業学校で教師をし、モクイク事業も行っています。(静岡県)

能口氏:本業と、それ以外の仕事として木材と人をつなぐ活動されています。
    専門性を習得すると広い視野が必要になってくるので、
    視野を広げるうえで大変有効だと考えます。
    基礎講座は、同じような課題を持つ受講生と、その課題に向き合って
    ディスカッションしながら解決策を練っていく授業形態になっています。

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次に、受講後の変化について聞きました。

宮村氏:木材コーディネート基礎講座を受講したのは、
    「木材コーディネーター」という勉強したという肩書きがあれば、
    山主さんとより深い話ができるのではないかと思ったため。
    実際に、受講したことで自信がついたし、肩書きを期待されて
    木材の有効利用方法について相談を受けるようになしました。
    立木の取引値段について値段の仕組みが分かるようになったので
    標準価格と比較して、山主に良い値で提案できるようになりました。
能口氏:取引の間でどのような状況なのか把握することは難しいが、
    さらに飛び越えてその先の状況を把握することはもっと難しい。
    講座を受講して、各分野での言葉を持つと理解して聞き取れる
    ようになります。情報の聞き取り能力があがります。

田中氏:木材コーディネート基礎講座を受講してからは、
    お客のニーズをヒアリングして情報を整理して適材を提案できる
    ようになりました。これまでだと、安直に使いやすい材を提供してきた
    が、出回る情報を整理することができるようになり、提案に結び
    つけられるようになりました。
能口氏:流通している木材はすべて地域材ではないし、製材もそうではない。
    一般には、販売側の人はみな同じ情報を持っていて、自分にあった
    木材を提案してもらっていると思いがちです。実は、情報は分断
    されていることが多いです。
    基礎講座では、実際に具体事例をもとに勉強します。
    一般消費者に情報を提供することで仕事に幅が生じてきます。

山田氏:木材コーディネート基礎講座を受講して、各業界、特に木材関係者と
    木育関係に信頼感が増しました。
    受講前は、丸太の価格が四分の1や五分の1にまで下がっている
    状況について誰が儲けているのか、懐疑心でいっぱいだったが、
    受講して、価格の成り立ちについて納得し、各業者を信頼できる
    ようになりました。木材の販売までかかわったほうがおもしろいことに
    気づき、プランナーの資格を取得しました。
    また受講することで、同期ができ、山に収益を還元すべきだと
    考えている人はこんなにいるんだと刺激を受けました。
能口氏:木材の価格は、利益率や加工費など積み上げで成り立っていますが、
    山主に収益を還元できているのか、意欲を持っていただいているの
    でしょうか。
    基礎講座では、生産コストを下げるべきか、高く販売するのか、
    製材実習で取り組んでもらい、細かく計算し、結果をもとに検討を
    していきます。

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さらに、木材コーディネーターの視点がどのように役立っているのか
話していただきました。

宮村氏:山の木を活かすことを念頭に置いて設計や部材の調達をするように
    なりました。「山側に軸足を置いた活動」ですね。値段や木材の
    使い方をちゃんと説明できるようになりました。
    お客さまに対しても、値段についてきちんと説明しています。       
田中氏:お客さまである工務店に、国産材を使う理由について正しい情報を
    提供できるようになりました。材木屋の仕入れ先は市場や問屋
    ですが、実はどこの材木かわからないことが多いです。
    そこで産地を追跡できる国産材を製品にしたいことについて
    山側に理解していただき、その山から出した立木を製材して
    お客さまにすすめられるようになりました。
山田氏:山側と町側の通訳でしょうか。
    以前、山側の方と工務店の間の取引に立ち会ったのですが、
    山側は丸太の材積について販売価格を提示し、工務店は製材の
    立米単価について買取希望価格を提示し、まったくかみ合わず
    取引が成立しませんでした。今では双方が希望することが何か
    理解できているので、値段交渉に役立てています。

能口氏:基礎講座を受講すると、具体的な話ができるようになります。
    また、他の地域の例にであい、取り入れることで新しい組み合わせ
    を発見することができます。

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最後に今後の活動について話していただきました。

宮村氏:山の森林経営計画を作っていきたい。知識が足りていないところも
    あるので、能口さんや山田さんや木材コーディネート研究会の
    ネットワークの中のよく知った人に相談して作り上げていきたいです。
    そして、「安曇川流域森と家づくりの会」で林業・木材生産を一貫した
    本格的な木材流通を作り上げていきたいです。
    個人的には、「認定木材コーディネーター」資格を取得したいです。
田中氏:木材の流通についてエンドユーザーにきちんと説明していきたいです。
    近頃は、「どこで木材が調達できるかわからん」「木材の使い方が
    わからん」「木材のメンテナンス方法がわからん」とわからん尽くし
    ですが、これを解消することによって山の材がスムーズに流れれば
    木材コーディネーターとして役割を果たすことになると考えています。
山田氏:地元天竜の自伐林家の木を付加価値をつけて販売していきたい
    です。高級材は見合った金額で販売していきたいです。
    どのように販売するか提案しているのですが、一方で建築向けでは
    なく家具やおもちゃの用途で木材を使うワークショップを開催し、
    一般の方に天竜の木に触れてもらう機会を持っと作っていきたいです。

能口氏:木材コーディネーターはいろんな形でいろんな分野で活躍のし方が
    変わってくる。長期計画で木を育てていく中で、常に新たな需要を
    見出し、木資源の使い方についてこれでいいのか確認していく必要が
    あります。それは、私たちの「未来への責任」であります。
    未来へ順送りしていく資源なので、流通を俯瞰してこの先を俯瞰して、
    次に取り組んで、いろんな木材コーディネートの活動をしていきながら
    認知度を上げることで次の木づかい・森づくりへつながっていく。 

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会場より質問がありました。

1.(田中さんへ)製材所で流通に携わっている中で、山に目覚めたのはいつですか?
  製材業を営んでいるが、山側に関与しようとしたときに門前払いだったことがあり
  山側と流通の間に溝があるのでは?と感じたことがあった。

田中氏:カホンプロジェクトを始めるようになって森林組合に木材利用の相談を
    いただいたことがあって、山を意識するようになりました。

能口氏:業者間で連携が必要な時代に入ってきている。
    製材所がもうかっている時代ではなく、小規模の製材所は特に高い付加
    価値をもたないと生き残れない。
    地域ごとの課題は地域の資源を使いながら森林をどうしていくのか
    木材コーディネーターが直面している。関われるのは地元の人なので
    みなさんの意識が変わるような活動につなげていく必要がある。

2.基礎講座の最後にビジネスプレゼンをすると説明がありましたが、パネラーの方は
  プレゼンの内容と現在の活動はつながっているものなのでしょうか?

宮村氏:プレゼンでは柱を作ることを提案しました。成果は、目標年間700本のところ
    2‐3割になっていて、量産できない原因を探ると、結局、森林経営計画を
    きちんと立てて、供給できる体制をつくることが必要だとわかりました。
    そこで、目下の目標は森林経営計画をつくることなのですが、当時のプレゼン
    に由来していることになります。
田中氏:プレゼンではカホンプロジェクトのワークショップを通して環境教育を提案しま
    した。ここ最近、大阪かわち材を使った保育所の提案に関わることになり
    そうで、直接ではないですが、志した教育関連に関与できているかと考えて
    います。
山田氏:プレゼンでは森林教育と自伐林家の支援について提案しました。森林教育に
    ついて学校の出前授業のほか教員向けの授業を企画しています。自伐林家
    の販売支援については販売にまでこぎつけていないですが、地道に活動中
    です。


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最後は、次のように締めくくりました。

能口氏:基礎講座では、自分の専門知識と比較しながら、異業種においてどの程度
    基礎レベルを学習しているのか測りながら臨んでいただきたい。
    まさに、横の知識を拡げていく講座となる。

    知識を横へ広げた結果、どうするのか?
    森林を50年後どの形にしていくのか?
    所有者がどういう思いを抱いているのか?
    木材利用という形のメンテナンスをどのように関わり、考えていくか?
    自分がかかわる地域の方との情報共有を図るための基礎知識を学ぶ。
    
    全然予備知識がない人にどのように伝えればいいのか、
    情報を拡げていくためには全体を視野に入れながら、
    どういうポイントを聞けばいいのか探りながら、
    わからないこともその場で確認しながら前進して習得する、
    基礎講座ではそのような訓練もできる。

    その次に、理念を持って価値に見合った材木利用を考え、
    目先のことにとらわれず、
    次のビジョンをもってビジネスをどのように作っていくか。
    「業」としてつながりをもって次の担い手を育て、
    役割を再構築していく上で、木材コーディネーターが求められている。


<募集要項の説明>

最後に、事務局より募集要項のパンフレットについて説明がありました。
募集期間は、7月31日から8月20日
申し込み用紙は、ホームページよりダウンロードしていただきたいとのことです。

募集要項と申込用紙はこちら(募集ページへリンクします)


<閉会>

時間いっぱいで、閉会いたしました。
個別相談については、スタッフや登壇者の周りに参加者が集まり、
おのおの質問していました。


本日は大変お暑い中、お集まりいただきありがとうございました。
悪天候のため、急遽日程変更になったにもかかわらず、
足をはこんでいただき、本当にありがとうございました。

ぜひとも木材コーディネート基礎講座にお申込みください!
ご応募お待ちしております。

【募集情報】木材コーディネート基礎講座2018
こちら↓



【7/29東京会場中止のご案内】木材コーディネート基礎講座2018説明会

2018年6月08日
【開催中止のお知らせ 20180727
木材コーディネート基礎講座2018説明会東京会場(7/29日曜日)は
台風12号の接近に伴い、交通機関の乱れが予測されることから、
残念ながら開催中止 といたします。

たくさんの皆様に関心を持っていただき、
多くのお申し込みをいただいておりましたが、
遠方からご参加の方もいらっしゃる中、
たいへん残念ですが中止とさせていただきました。

当日参加をご予約いただいた皆様には、
配布資料一式を郵送で送らせていただく手配としております。
また、ご予約いただいた皆様には、別途詳しい説明をメールで送信させていただいております。
ご確認願いますよう宜しくお願いいたします。

説明会においてお尋ねいただくご準備をいただいたご質問は、
事務局にメール・telにてお問い合わせいただきました、
事務局が回答させていただきます。

お気軽にお問い合わせください。

NPO法人サウンドウッズ 代表理事 安田哲也

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木材コーディネート基礎講座2018説明会開催
大阪会場 荒天順延 7/21土  東京会場 7/29日

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「木材コーディネートはなぜ必要?」
「木材コーディネーターってどんな仕事?」
「基礎講座の内容は?」

講座受講して、何が変わったか、
受講修了生をパネラーに招き
経験談と、今の仕事についてお話をうかがいます。

説明会へは事前予約が必要です!

多数のお申し込みありがとうございました。
ご応募締切ました。
チラシのダウンロードは こちら→

今年度の基礎講座スケジュールは こちら→

【大阪会場】 

日時  :平成30年7月7日 21日(土)14:30~16:30 (受付開始14:00)
場所  :大阪木材仲買会館 大会議室
     (大阪市西区南堀江4丁目18-10
      最寄り駅:大阪Metoro千日前線「西長堀」(徒歩4分))
募集人数:40名
申込期限:平成30年7月19日(木)12時まで


【東京会場】 

(荒天予報のため中止いたします)

日時  :平成30年7月29日(日)14:00~16:00 (受付開始13:30)
     (東京都渋谷区代々木神園町3-1
      最寄り駅:小田急線「参宮橋」駅(徒歩7分))
募集人数:40名
申込期限:平成30年7月20日(金)12時まで

説明会へは事前予約が必要です!
申し込みは終了しました。

主催  : NPO法人サウンドウッズ
後援  : 公益財団法人国土緑化推進機構
     木材コーディネート研究会
     近畿中国森林管理局
     一般財団法人セブン-イレブン記念財団



プログラム詳細

【大阪会場】

日時  :平成30年7月21日(土)14:30~16:30 (受付開始14:00)
場所  :大阪木材仲買会館 大会議室
     (大阪市西区南堀江4丁目18-10
      最寄り駅:大阪Metoro千日前線「西長堀」(徒歩4分))

プログラム:
  14:00 受付開始
  14:30 開会の挨拶
  14:40 第1部 木材コーディネーターの解説、講座紹介
  15:30 第2部 基礎講座受講者との対話
  16:10 募集要項の説明など
  16:30 閉会 (個別相談は16:50まで)

登壇者のご紹介:
第2部パネラー
山田 真弓

YAMADA Mayumi
森林林業分野
平成27年度受講生
MORI-IKU代表(静岡)
大学卒業後、農業高校に就職。在職中に海外青年協力隊に参加し南米ボリビアへ。復職後林業を志し森林組合に就職。天竜の民間林業事業体にてプランナーとして修業し、MORI-IKUを設立。



田中 良平

TANAKA Ryohei
木材流通分野
平成25年度受講生
有限会社田中製材所(大阪)
勤務先のリンクはこちら
Facebookのリンクはこちら



宮村 太

MIYAMURA Futoshi
木材利用分野
平成27年度受講生
宮村太設計工房
一般社団法人安曇川流域・森と家づくりの会代表
(滋賀)
大学卒業後、建築士事務所に就職。在籍中に安曇川流域・森と家づくりの会を設立。2007年宮村太設計工房を設立。一級建築士。

第2部ディスカッション司会
能口 秀一

NOGUCHI Shuichi
木材コーディネート基礎講座講師
有限会社ウッズ代表取締役(兵庫)
大学卒業後、フォトグラファーや製材会社を経て、2004年に有限会社ウッズを兵庫県丹波市内で共同設立し、代表理事に就任。
NPO法人サウンドウッズ副代表理事、京都府立林業大学校客員成就、高知県立林業大学校特別教授。

【東京会場】

日時  :平成30年7月29日(日)14:00~16:00 (受付開始13:30)
     (東京都渋谷区代々木神園町3-1
      最寄り駅:小田急線「参宮橋」駅(徒歩7分))

プログラム:
  13:30 受付開始
  14:00 開会の挨拶
  14:10 第1部 木材コーディネーターの解説、講座紹介
  15:00 第2部 基礎講座受講者との対話
  15:40 募集要項の説明など
  16:00 閉会 (個別相談は16:20まで)


登壇者のご紹介:
第2部パネラー
熊田 洋子

KUMATA Yoko
森林林業分野
平成25年度受講生
大栄環境グループ株式会社総合農林(東京)
勤務先のリンクはこちら



樋口 真明

HIGUCHI Masaaki
木材流通分野
平成25年度受講生

一般社団法人ウッディーラー豊田代表(愛知)
高校卒業後向井木材に大工として就職、独立後大工グループの棟梁を経て、向井木材企画室を担当。人と木をつなげるプロジェクトを設立。豊田市地域材利用拡大プロジェクト「ウッディーラー」を展開。2017年一般社団法人化し代表に就任。
阿部 紀人

ABE Norihito
木材利用分野
平成29年度受講生
山笑園 代表
株式会社森のエネルギー研究所主任研究員
(埼玉)
勤務先のリンクはこちら

第2部ディスカッション司会
井上 淳治

INOUE Junji
森林林業分野
平成27年度受講生
NPO法人西川・森の市場代表理事(埼玉)
西川林業地の林業経営者10代目。奈良県の製材工場での製材見習いを経て、1984年から家業の林業に従事。
1997年きまま工房「木楽里」を開設。

平成29年度木材コーディネート研修会第3回

2018年5月01日
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平成29年度木材コーディネート研修会第3回目が開催されましたのでレポートいたします。

【研修会概要】

<第一日目>
日時  :2018年4月21日(土) 12:55 ~18:00
会場  :静岡県浜松市天竜区
運営  :木材コーディネート研究会平成29年度世話役
受入  :天竜林業研究会(ファシリテーター:山田真弓)
案内  :鈴木将之氏、鈴木健太氏、熊平智司氏、森下広樹氏
テーマ :具体的な森林管理および木材販売事例に学ぶ~静岡県天竜地域編~
内容  :
   12:40 西鹿島駅集合・受付
   12:55 第3回研修会はじめに(船明運動公園駐車場)
   13:30 視察地1「鈴木耕治様所有林」見学
   15:55 道の駅「くんま水車の里」休憩
   15:20 視察地2「熊平智司様所有林」見学
   17:00 視察地3「すずくま磨き丸太工場」見学
   18:00 第1日目おわりに

<第二日目>
日時  :2018年4月22日(日) 9:00 ~12:00
会場  :静岡県立自然の森公園森の家・大会議室
運営  :木材コーディネート研究会平成29年度世話役
受入  :天竜林業研究会(ファシリテーター:山田真弓)
アドバイザ:鈴木耕治氏、太田誠氏、森下広樹氏
テーマ :木材販売戦略を立案
内容  :
     9:00 第2日目はじめに
     9:15 ワークショップ「天竜の森と材の強みとは」
   10:30 ワークショップ「強みを活かした商品・サービスを想定ターゲットへ」
   11:25 ワークショップ「発表:指名買いしていただけるようなファンを育てる
            製品・サービス」
   11:50 天竜林業研究会による講評
   12:00 第3回研修会おわりに


【研修会内容】

研修会が最終回になり、今年度研修会で得たことを元に、どのように森林経営を支援していくのか
実際に林業地域に出向いて、現行の施業より得られる材を念頭に考えていきます。

第1日目

大変良い天気に恵まれました。
まず船明(ふなぎら)運動公園駐車場に、天竜林業研究会の本日ご案内いただく方と
受講生全員が集合しました。

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開会式として、案内してくださる方のご紹介や本日の流れと目的について説明がありました。
ここより、天竜林業研究会にも所属している木材コーディネーターの山田さんが
ファシリテーターを担当します。


視察地1:鈴木耕治様所有林

駐車できる道沿いからアクセスできる、入りやすい山をご紹介いただきました。
下層植生が多く、「林立」ということばしか浮かばないほどまっすぐで立派な針葉樹。
大変良い天気だったこともあり、日差し輝く明るい森に、受講生は思わず息をのみました。

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施行についての説明は、所有者のご子息の鈴木健太さんが担当されました。
「いりやまき」13代目に当たるそうです。
もともと林業地ではなかったが、西川林業地へ修行にいかれて「二代木」施業をはじめられたとのこと。
背の低い細い木は30年生、背が高く太い木は80年生として育てておられるそうです。
太い木のそばで植林すると初期成長が抑えられるなど、なるほどとお話を伺いました。


植林については、鹿との闘いらしく、対策として柵を講じると搬出が難しくなるので
苗策を設置せずに下層植生によって鹿を寄せ付けないようにしているとのこと。
現地へ行くと、試行錯誤されているのがよく伝わってきます。


視察地2:熊平智司様所有林

道の駅「くんま水車の里」で、「やましち」12代目の熊平智司さんが合流されました。
休憩をしたのち、清流沿いを進んだところの森をご紹介いただきました。
少し太陽が傾く中、おだやかな風が抜ける森で作業道が広めに敷いてありました。

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土壌によりスギとヒノキの植生地が分かれているとのこと。
枝打ちがされている箇所とされていない箇所がはっきりとわかるのですが、
枝打ち材として有望な立木のみ施業されているとのこと。
ある程度の高さからは枝が伸び放題になっているので、よくわかります。



磨き丸太や鯉のぼりの竿向けになる丸太材を販売されている他、
シキミやサカキも手掛けていらっしゃって、針葉樹だけではなく山全体を通して
林産物を出荷されていることも伺いました。
また、設計図面から必要な材を見出す製材所と協力して川下への販売にも
取り組んでいると説明いただきました。

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視察地3:磨き丸太工場

鈴木将之氏と熊平智司氏が共同で「すずくま」ブランドとして
生産している磨き丸太工場に伺いました。

艶やかな木の肌を見せている磨き丸太が壁に立てかけてありました。
屋内に入るとさらに立派な磨き丸太が並んでいて圧巻です。

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別棟では、磨き丸太をスライスして家具向けに仕立ててあったり、
枝付のまま木の皮が剥かれて、ユニークな表情をみせている磨き丸太材もありました。

保育所などの施設には枝付の磨き丸太が好評だそうです。
施設の真ん中に設置するケースが多いそうです。

日も陰ってきて明日のワークショップの題材にできるか思案する人もいたのではないでしょうか。

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第2日目

ワークショップ「木材販売戦略の立案」

翌朝より、昨日視察した森林を思い出しながら、ワークショップが始まりました。
昨日視察に同行していただいた方の他、別の方も、アドバイザーとして参加いただきました。

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まずは、事前に事務局がヒアリングした「天竜林業会がいだいている課題と現状」を
共有したうえで、さらに、昨日見学した視察地の印象を共有を図ります。
4グループに分かれて、グループごとにまとめ発表して会場全体で共有します。

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販売物となる「立木」だけでなく、森林や施業・立地・携わる人について、と
包括的に意見が出され、この時点で「木材」以上のものを販売戦略に盛り込んでいこう
という意識が醸成されたように思います。

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次に、強みを活かした商品・サービスとターゲットについてメンバーの意見を
グループの意見をまとめていきます。
これがなかなか時間がかかります。
これまでの取り組みや施業についての補足などは、二日目にご参加いただいた
鈴木耕治様、太田誠様、そして初日より同行いただいている森下広樹様に
グループ間を回遊しながら説明いただきました。


各グループに、森林林業分野・流通分野・利用分野とそれぞれメンバーがいるので
過去の経験や凡庸な意見にするどいツッコミが入り合いまとまりません。
「天竜材」のメリットを考え抜いて、なんとかカタチができたでしょうか。
第1回目で学習した「森林経営計画」にそれぞれどのように反映させるか、
盛り込んでいただきました。


制限時間いっぱいになり、用意できた班から発表することになりました。
建築への展開 2グループ
企業への連携展開 1グループ
芸術家との融合展開 1グループ

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最後に、天竜林業研究会の方からは次のような講評を頂きました

・川下の視点の意見を聞く機会が少なかったので良かった

・外部の提案を聞くことにより山主の保守化や発想の硬直化を防ぎたい

・建築を通して、幼少期からの木材利用者の育成は興味深い

・建材以外の木材利用の可能性について興味深い  ほか

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内容の濃い二日間でした。
2月から続けてきた連続講座の研修会は、
座学の後の視察は大変有意義で得るものが多かったと思います。

天竜林業研究会のみなさま、視察を受け入れていただきありがとうございました。
今後是非とも木材コーディネーターと連携いただければと思います。

今年度3回にわたって開催した研修会については木材コーディネート研究会まとめをいたします。



平成29年度木材コーディネート研修会第2回

2018年3月16日
平成29年度木材コーディネート研修会第2回目が開催されましたのでレポートいたします。


【研修会概要】

日時 :2018年3月10日(土) 13:00 ~ 17:00
会場 :近畿中国森林管理局
運営 :木材コーディネート研究会平成29年度世話役
テーマ: 「地域材」ブランドに頼らない「生産者ブランド」は可能か?
情報提供:安田哲也(NPO法人サウンドウッズ代表、兵庫県、平成29年度受講生)
     戸田昌志(戸田材木店経営、大阪府、平成26年度受講生)
     能口秀一(有限会社ウッズ代表、兵庫県、木材コーディネート基礎講座講師)
内容 :
   12:30 受付開始
   13:00 はじめに
   13:15 話題提供
      「地域材を取り巻く現状」 安田哲也
   13:40 事例報告
      「「地域材」ブランドに頼らない販売戦略
       ~自社製品の商品化について~」 戸田昌志
   14:30 事例報告
      「木材コーディネーターとして取り組む森林所有者支援
       ~森林所有者の主体性を生み出すために~」 能口秀一
   15:40 グループワーク
      質疑応答・多様な資源活用の事例
   17:00 おわりに

【研修会内容】

第2回の議論のテーマは「森林所有者に収益をもたらす森林経営サポートのための木材コーディネート」とし、これに向けて、森林資源価値の最大化のために木材コーディネーターのかかわり方として、「木材販売方法」と「森林の多面的活用」について事例報告をしていただき、議論に入ります。

話題提供:「地域材を取り巻く現状」

NPO法人サウンドウッズの安田が、はじめに前回の振り返りを行い、参加者の記憶をよび戻しました。
前回の最後に議論した「森林経営計画作りが森林所有者にもたらすメリット」のおさらいです。
第二回から参加される方には、資料による予習をお願いしていたので何とかついてきていただきたいところです。

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次に、近年よく使用される「地域材」について使用する主体により意味合いが少しずつ異なっていることについて説明がありました。
特に政府が使う「地域材」とは、「国産材」のことだそうです。
また、前回の研修会でよく耳にした認証材についても、品質を保証しているわけではない、と説明がありました。
基礎講座でも触れている点ですが、かなりの復習になりました。


事例報告:「"地域材"ブランドに頼らない販売戦略~自社製品の商品化について~」

本日話題提供していただくのは戸田材木店の経営者、戸田さんです。木材の販売のほか、木材について小学校へ出前講師されるなど、木材についての知識の普及を進めています。

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街の材木屋さんとして自己紹介されましたが、基礎講座で製材所を訪問しているためそのイメージを持ちますが、街中での材木屋がどのような仕事(取引)をされているのか説明していただきました。
建材を必要とする業者だけでなく、一般のお客さまにも販売されているとのこと。
一般のお客様への販売は、購入を判断していただくためにも木材の情報をきちんと提供していくことが大切ですが、同時に木材の生い立ちや一般にはわかりにくい価格の差について説明できると、尚更、安心して購入していただけるとのことです。

また自社ブランドを展開されているとのこと。
市場のニーズを汲むなどいろいろマーケティング手法もありますが、自分の夢を詰め込んだ商品を展開されているそうです。
自信をもって商品説明ができるため、お客様に安心して購入していただくことにつながるのではないでしょうか。
売り込むより、気になって見に来ていただき、買っていただく。ここに何やらヒントがありそうです。


事例報告:「木材コーディネーターとして取り組む森林所有者支援~森林所有者の主体性を生み出すために~」

基礎講座でもお馴染みの能口講師より、森林所有者の主体性を生み出すための取り組みについて紹介していただきました。
能口さんが経営されている有限会社ウッズでは、立木・原木を見極めて製材し販売する以外にも、地域の方が地域の森林をどのように管理していくのか仕組みづくりを支援されています。
今回は、地域の方が森林経営していく仕組みを作るうえで、森林経営計画の作成とのつながりを伺うことが出来ました。

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地域資源活用を前提として森林調査に入る時は、森林活用するゾーンと木材利用するゾーンを見極めるようにしているとのこと。
森林活用とは「空間利用」。地域の人が山に入ってレクリエーションを行うための場所です。
原木調達のために山に入ることがあっても、森林活用と木材利用の計画を立てるには、森林全体像を見る必要があるとのこと。

森林経営計画を作成するために、森林全体像を見る機会が得られるなら、地域の人がその山をどのように活用するのか、そのためにはどのような施業が要るのか相談しながら決めていくことができる。

木材利用ゾーンについては、良い品質の立木の個所を地図に落とし込み、伐採して製材したときの品質情および価格情報を正確に管理していけるようにしているとのこと。情報を元に同じ林相の価値が算出でき、施業の方針が立てられる。価格決定の仕組みをきちんと作れば、山主のやる気につながる。

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森林経営計画の作成は、単に最低限の施業計画を立てるのではなく、地域を巻き込んで地域の将来を一緒に描く機会にすることができるのではないでしょうか。


グループワーク:質疑応答・多様な資源活用の事例

3グループに分かれて、事例報告の内容について疑問点を抽出し、解消しました。
それでも解消しない疑問については、全体で共有し、講演者に質問し回答をいただきました。

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主な質問は次の通り
「戸田材木店の生産者ブランドとは産地・素材製造・製材業のどの業種の名前になるのか」
・その製品を作り出したときに最もこだわりが強かった人の名前

「戸田材木店のヒット商品はなんですか」
・(木材の背景や用途をしっかり説明できる)パネル式床材です

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「能口さんの森林全体像を見るときの手法はどうやったら習得できるか?何に着目しているのか?」
・手法は特にない。ざっくりとみている。後で記録が残せるように配慮している。

「どうやって需給をマッチングさせているのか」
・顔が見える範囲で行い、需給について無理をしない。
・在庫を持たなくしている。不足の場合は同業者に連絡して融通してもらう。


「地域に森がなく他地域に頼りたい場合はどこから話をつければいいのか」
・地域材や流域材などこだわりをもって。
この質問については、各木材産地から是非利用していただきたいとアピールがありました。

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その後、「多様な資源活用の事例」に移る予定でしたが、時間がなくなり、三回へ持ち越されることになりました。


【次回の研修会】

第3回木材コーディネート研修会
日時 :4月21日(土) 13:00 ~ 17:00、4月22日(日) 9:00 ~ 12:00
集合 :静岡県立森林公園森の家
案内 :山田真弓(MORI-IKU代表、静岡県、平成27年度受講生)
受入 :天竜林研グループ
内容 :具体的な森林管理および木材販売事例に学ぶ(静岡県天竜地域編)