FOREST LOUNGEアーカイブ

平成29年度木材コーディネート研修会第3回

2018年5月01日
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平成29年度木材コーディネート研修会第3回目が開催されましたのでレポートいたします。

【研修会概要】

<第一日目>
日時  :2018年4月21日(土) 12:55 ~18:00
会場  :静岡県浜松市天竜区
運営  :木材コーディネート研究会平成29年度世話役
受入  :天竜林業研究会(ファシリテーター:山田真弓)
案内  :鈴木将之氏、鈴木健太氏、熊平智司氏、森下広樹氏
テーマ :具体的な森林管理および木材販売事例に学ぶ~静岡県天竜地域編~
内容  :
   12:40 西鹿島駅集合・受付
   12:55 第3回研修会はじめに(船明運動公園駐車場)
   13:30 視察地1「鈴木耕治様所有林」見学
   15:55 道の駅「くんま水車の里」休憩
   15:20 視察地2「熊平智司様所有林」見学
   17:00 視察地3「すずくま磨き丸太工場」見学
   18:00 第1日目おわりに

<第二日目>
日時  :2018年4月22日(日) 9:00 ~12:00
会場  :静岡県立自然の森公園森の家・大会議室
運営  :木材コーディネート研究会平成29年度世話役
受入  :天竜林業研究会(ファシリテーター:山田真弓)
アドバイザ:鈴木耕治氏、太田誠氏、森下広樹氏
テーマ :木材販売戦略を立案
内容  :
     9:00 第2日目はじめに
     9:15 ワークショップ「天竜の森と材の強みとは」
   10:30 ワークショップ「強みを活かした商品・サービスを想定ターゲットへ」
   11:25 ワークショップ「発表:指名買いしていただけるようなファンを育てる
            製品・サービス」
   11:50 天竜林業研究会による講評
   12:00 第3回研修会おわりに


【研修会内容】

研修会が最終回になり、今年度研修会で得たことを元に、どのように森林経営を支援していくのか
実際に林業地域に出向いて、現行の施業より得られる材を念頭に考えていきます。

第1日目

大変良い天気に恵まれました。
まず船明(ふなぎら)運動公園駐車場に、天竜林業研究会の本日ご案内いただく方と
受講生全員が集合しました。

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開会式として、案内してくださる方のご紹介や本日の流れと目的について説明がありました。
ここより、天竜林業研究会にも所属している木材コーディネーターの山田さんが
ファシリテーターを担当します。


視察地1:鈴木耕治様所有林

駐車できる道沿いからアクセスできる、入りやすい山をご紹介いただきました。
下層植生が多く、「林立」ということばしか浮かばないほどまっすぐで立派な針葉樹。
大変良い天気だったこともあり、日差し輝く明るい森に、受講生は思わず息をのみました。

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施行についての説明は、所有者のご子息の鈴木健太さんが担当されました。
「いりやまき」13代目に当たるそうです。
もともと林業地ではなかったが、西川林業地へ修行にいかれて「二代木」施業をはじめられたとのこと。
背の低い細い木は30年生、背が高く太い木は80年生として育てておられるそうです。
太い木のそばで植林すると初期成長が抑えられるなど、なるほどとお話を伺いました。


植林については、鹿との闘いらしく、対策として柵を講じると搬出が難しくなるので
苗策を設置せずに下層植生によって鹿を寄せ付けないようにしているとのこと。
現地へ行くと、試行錯誤されているのがよく伝わってきます。


視察地2:熊平智司様所有林

道の駅「くんま水車の里」で、「やましち」12代目の熊平智司さんが合流されました。
休憩をしたのち、清流沿いを進んだところの森をご紹介いただきました。
少し太陽が傾く中、おだやかな風が抜ける森で作業道が広めに敷いてありました。

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土壌によりスギとヒノキの植生地が分かれているとのこと。
枝打ちがされている箇所とされていない箇所がはっきりとわかるのですが、
枝打ち材として有望な立木のみ施業されているとのこと。
ある程度の高さからは枝が伸び放題になっているので、よくわかります。



磨き丸太や鯉のぼりの竿向けになる丸太材を販売されている他、
シキミやサカキも手掛けていらっしゃって、針葉樹だけではなく山全体を通して
林産物を出荷されていることも伺いました。
また、設計図面から必要な材を見出す製材所と協力して川下への販売にも
取り組んでいると説明いただきました。

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視察地3:磨き丸太工場

鈴木将之氏と熊平智司氏が共同で「すずくま」ブランドとして
生産している磨き丸太工場に伺いました。

艶やかな木の肌を見せている磨き丸太が壁に立てかけてありました。
屋内に入るとさらに立派な磨き丸太が並んでいて圧巻です。

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別棟では、磨き丸太をスライスして家具向けに仕立ててあったり、
枝付のまま木の皮が剥かれて、ユニークな表情をみせている磨き丸太材もありました。

保育所などの施設には枝付の磨き丸太が好評だそうです。
施設の真ん中に設置するケースが多いそうです。

日も陰ってきて明日のワークショップの題材にできるか思案する人もいたのではないでしょうか。

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第2日目

ワークショップ「木材販売戦略の立案」

翌朝より、昨日視察した森林を思い出しながら、ワークショップが始まりました。
昨日視察に同行していただいた方の他、別の方も、アドバイザーとして参加いただきました。

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まずは、事前に事務局がヒアリングした「天竜林業会がいだいている課題と現状」を
共有したうえで、さらに、昨日見学した視察地の印象を共有を図ります。
4グループに分かれて、グループごとにまとめ発表して会場全体で共有します。

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販売物となる「立木」だけでなく、森林や施業・立地・携わる人について、と
包括的に意見が出され、この時点で「木材」以上のものを販売戦略に盛り込んでいこう
という意識が醸成されたように思います。

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次に、強みを活かした商品・サービスとターゲットについてメンバーの意見を
グループの意見をまとめていきます。
これがなかなか時間がかかります。
これまでの取り組みや施業についての補足などは、二日目にご参加いただいた
鈴木耕治様、太田誠様、そして初日より同行いただいている森下広樹様に
グループ間を回遊しながら説明いただきました。


各グループに、森林林業分野・流通分野・利用分野とそれぞれメンバーがいるので
過去の経験や凡庸な意見にするどいツッコミが入り合いまとまりません。
「天竜材」のメリットを考え抜いて、なんとかカタチができたでしょうか。
第1回目で学習した「森林経営計画」にそれぞれどのように反映させるか、
盛り込んでいただきました。


制限時間いっぱいになり、用意できた班から発表することになりました。
建築への展開 2グループ
企業への連携展開 1グループ
芸術家との融合展開 1グループ

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最後に、天竜林業研究会の方からは次のような講評を頂きました

・川下の視点の意見を聞く機会が少なかったので良かった

・外部の提案を聞くことにより山主の保守化や発想の硬直化を防ぎたい

・建築を通して、幼少期からの木材利用者の育成は興味深い

・建材以外の木材利用の可能性について興味深い  ほか

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内容の濃い二日間でした。
2月から続けてきた連続講座の研修会は、
座学の後の視察は大変有意義で得るものが多かったと思います。

天竜林業研究会のみなさま、視察を受け入れていただきありがとうございました。
今後是非とも木材コーディネーターと連携いただければと思います。

今年度3回にわたって開催した研修会については木材コーディネート研究会まとめをいたします。



平成29年度木材コーディネート研修会第2回

2018年3月16日
平成29年度木材コーディネート研修会第2回目が開催されましたのでレポートいたします。


【研修会概要】

日時 :2018年3月10日(土) 13:00 ~ 17:00
会場 :近畿中国森林管理局
運営 :木材コーディネート研究会平成29年度世話役
テーマ: 「地域材」ブランドに頼らない「生産者ブランド」は可能か?
情報提供:安田哲也(NPO法人サウンドウッズ代表、兵庫県、平成29年度受講生)
     戸田昌志(戸田材木店経営、大阪府、平成26年度受講生)
     能口秀一(有限会社ウッズ代表、兵庫県、木材コーディネート基礎講座講師)
内容 :
   12:30 受付開始
   13:00 はじめに
   13:15 話題提供
      「地域材を取り巻く現状」 安田哲也
   13:40 事例報告
      「「地域材」ブランドに頼らない販売戦略
       ~自社製品の商品化について~」 戸田昌志
   14:30 事例報告
      「木材コーディネーターとして取り組む森林所有者支援
       ~森林所有者の主体性を生み出すために~」 能口秀一
   15:40 グループワーク
      質疑応答・多様な資源活用の事例
   17:00 おわりに

【研修会内容】

第2回の議論のテーマは「森林所有者に収益をもたらす森林経営サポートのための木材コーディネート」とし、これに向けて、森林資源価値の最大化のために木材コーディネーターのかかわり方として、「木材販売方法」と「森林の多面的活用」について事例報告をしていただき、議論に入ります。

話題提供:「地域材を取り巻く現状」

NPO法人サウンドウッズの安田が、はじめに前回の振り返りを行い、参加者の記憶をよび戻しました。
前回の最後に議論した「森林経営計画作りが森林所有者にもたらすメリット」のおさらいです。
第二回から参加される方には、資料による予習をお願いしていたので何とかついてきていただきたいところです。

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次に、近年よく使用される「地域材」について使用する主体により意味合いが少しずつ異なっていることについて説明がありました。
特に政府が使う「地域材」とは、「国産材」のことだそうです。
また、前回の研修会でよく耳にした認証材についても、品質を保証しているわけではない、と説明がありました。
基礎講座でも触れている点ですが、かなりの復習になりました。


事例報告:「"地域材"ブランドに頼らない販売戦略~自社製品の商品化について~」

本日話題提供していただくのは戸田材木店の経営者、戸田さんです。木材の販売のほか、木材について小学校へ出前講師されるなど、木材についての知識の普及を進めています。

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街の材木屋さんとして自己紹介されましたが、基礎講座で製材所を訪問しているためそのイメージを持ちますが、街中での材木屋がどのような仕事(取引)をされているのか説明していただきました。
建材を必要とする業者だけでなく、一般のお客さまにも販売されているとのこと。
一般のお客様への販売は、購入を判断していただくためにも木材の情報をきちんと提供していくことが大切ですが、同時に木材の生い立ちや一般にはわかりにくい価格の差について説明できると、尚更、安心して購入していただけるとのことです。

また自社ブランドを展開されているとのこと。
市場のニーズを汲むなどいろいろマーケティング手法もありますが、自分の夢を詰め込んだ商品を展開されているそうです。
自信をもって商品説明ができるため、お客様に安心して購入していただくことにつながるのではないでしょうか。
売り込むより、気になって見に来ていただき、買っていただく。ここに何やらヒントがありそうです。


事例報告:「木材コーディネーターとして取り組む森林所有者支援~森林所有者の主体性を生み出すために~」

基礎講座でもお馴染みの能口講師より、森林所有者の主体性を生み出すための取り組みについて紹介していただきました。
能口さんが経営されている有限会社ウッズでは、立木・原木を見極めて製材し販売する以外にも、地域の方が地域の森林をどのように管理していくのか仕組みづくりを支援されています。
今回は、地域の方が森林経営していく仕組みを作るうえで、森林経営計画の作成とのつながりを伺うことが出来ました。

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地域資源活用を前提として森林調査に入る時は、森林活用するゾーンと木材利用するゾーンを見極めるようにしているとのこと。
森林活用とは「空間利用」。地域の人が山に入ってレクリエーションを行うための場所です。
原木調達のために山に入ることがあっても、森林活用と木材利用の計画を立てるには、森林全体像を見る必要があるとのこと。

森林経営計画を作成するために、森林全体像を見る機会が得られるなら、地域の人がその山をどのように活用するのか、そのためにはどのような施業が要るのか相談しながら決めていくことができる。

木材利用ゾーンについては、良い品質の立木の個所を地図に落とし込み、伐採して製材したときの品質情および価格情報を正確に管理していけるようにしているとのこと。情報を元に同じ林相の価値が算出でき、施業の方針が立てられる。価格決定の仕組みをきちんと作れば、山主のやる気につながる。

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森林経営計画の作成は、単に最低限の施業計画を立てるのではなく、地域を巻き込んで地域の将来を一緒に描く機会にすることができるのではないでしょうか。


グループワーク:質疑応答・多様な資源活用の事例

3グループに分かれて、事例報告の内容について疑問点を抽出し、解消しました。
それでも解消しない疑問については、全体で共有し、講演者に質問し回答をいただきました。

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主な質問は次の通り
「戸田材木店の生産者ブランドとは産地・素材製造・製材業のどの業種の名前になるのか」
・その製品を作り出したときに最もこだわりが強かった人の名前

「戸田材木店のヒット商品はなんですか」
・(木材の背景や用途をしっかり説明できる)パネル式床材です

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「能口さんの森林全体像を見るときの手法はどうやったら習得できるか?何に着目しているのか?」
・手法は特にない。ざっくりとみている。後で記録が残せるように配慮している。

「どうやって需給をマッチングさせているのか」
・顔が見える範囲で行い、需給について無理をしない。
・在庫を持たなくしている。不足の場合は同業者に連絡して融通してもらう。


「地域に森がなく他地域に頼りたい場合はどこから話をつければいいのか」
・地域材や流域材などこだわりをもって。
この質問については、各木材産地から是非利用していただきたいとアピールがありました。

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その後、「多様な資源活用の事例」に移る予定でしたが、時間がなくなり、三回へ持ち越されることになりました。


【次回の研修会】

第3回木材コーディネート研修会
日時 :4月21日(土) 13:00 ~ 17:00、4月22日(日) 9:00 ~ 12:00
集合 :静岡県立森林公園森の家
案内 :山田真弓(MORI-IKU代表、静岡県、平成27年度受講生)
受入 :天竜林研グループ
内容 :具体的な森林管理および木材販売事例に学ぶ(静岡県天竜地域編)


平成29年度木材コーディネート研修会第1回

2018年3月02日
木材コーディネート研究会では、今年度(平成29年8月から平成30年7月)の研究会テーマと
具体的な研修内容について議論を重ねてきました。

今年度は「木材コーディネーターによる森林経営支援はどうあるべきか」をテーマとし、
2回の座学と1回の視察研修を行うことといたしました。

平成29年度木材コーディネート研修会第1回が開催されましたのでレポートいたします。


【研修会概要】

日時 :2018年2月24日(土) 13:00 ~ 17:00
会場 :近畿中国森林管理局
運営 :木材コーディネート研究会平成29年度世話役
テーマ: 「森林経営計画策定の目的・現状・課題
    ~森林所有者が持つべき森林経営のビジョン~」
情報提供:山田真弓(MORI-IKU代表、静岡県浜松市、平成27年度受講生)
     井上淳二(きまま工房・木楽里主催、埼玉県飯能市、平成27年度受講生)
内容 :
   12:30 受付開始
   13:00 はじめに
   13:15 講義
      「森林経営計画の実際~本来の目的と現状について」 山田真弓
   14:15 事例報告
      「西川林業地で取り組む計画策定に向けて予測される課題」 井上淳二
   15:15 グループワーク
      「森林所有者は計画に何を求めるか・策定のための課題解決」
   17:00 おわりに

【研修会内容】

第1回目では、木材コーディネート領域の最上流ともいえる森林管理と森林経営に焦点をあて、木材生産に影響を及ぼしている森林経営計画制度をテーマに、講義・事例報告・グループディスカッションを行い、森林所有者が持つべき森林経営計画のビジョンについてまとめていきました。

講義:「森林経営計画の実際~本来の目的と現状について」

本日講義を担当する山田さんは、MORI-IKUを立ち上げ木育活動を進める傍ら、森林組合や民間事業体、個人林業家などの森林経営計画の策定や運用支援に従事されています。

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まず、森林経営計画制度について認定要件や必要な書類、作成手順について説明がありました。
森林の所有者や森林の情報は、地方行政機関が管理する森林簿にあるものですが、実体とかけ離れているとのことでした。
あてにならない森林簿とどのように折り合いをつけて、森林経営計画を作成すればいいのか、現場の並々ならぬ努力が想像されます。

次に、森林所有者にとって森林経営計画制度についてご紹介いただきました。
浜松市が支援して、天竜という有名林業地はFSC認証材を生産しています。
経営計画を作成することがFSC認証を受ける要件でもあり、作成しなければFSC認証材の販路に乗せられなくなります。
個人所有者は策定して実行することが難しく、森林組合に委託すると施業の自由度がなくなり不便と感じているとのこと。
計画をわざわざ作成するのに、施行の自由度が少ないと感じていることに課題が潜んでいるようです。

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次に、プランナーにとっての森林経営計画制度について感想を頂きました。
森林経営計画を作成すると補助金が支給されるのですが、補助金目当ての計画になっていて、市場を考慮しない大量供給に陥っているとのこと。経営である以上、林業を持続できるだけの対価は木材生産から必要だが、計画的な素材生産・品質重視の視点が欠落しているとのこと。
森林経営を持続させるための販売計画が、森林所有者にとって必要だ、と現場でも上がっているのですね。


事例報告:「西川林業地で取り組む計画策定に向けて予測される課題」

本日事例を紹介していただく井上さんは、西川林業地で代々続く林業家で、森林教育活動を熱心に進められてきました。また、愛猫にスギの学術名から名前を付けたり、木工房・木楽里を主催され、かんなくずよりアクセサリーを考案して広めるなど、多彩な活動を展開されています。

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まず、森林経営計画を策定する目的について、森林認証が取得しやすく自治体の支援制度を受けやすいと説明していただきました。
森林認証を取得した木材は、内装業から高く関心が寄せられているそうです。

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次に、森林経営計画策定について感じておられる課題など説明していただきました。
森林簿や森林基本図と森林の実情が合っていないことが課題だそうです。西川林業地は代々注文材を生産してきたので、土地の境界や立木情報の更新を進めて実情を把握して、ニーズに応える材を提供できるようにされているそうです。
また、個人所有林が点在されているため、森林経営計画の要件を満たすために隣接する所有者と共同で作成する必要があるとのこと。
その場合、路網を整備するため、隣接する土地の管理が必要になるなど、計画の実行についても不安があるそうです。


グループワーク:「森林所有者は計画に何を求めるか-策定のための課題解決」

5つのグループに分かれ、講義や事例報告から生じた疑問点をお互いに解消します。
その中で解消できなかった質問を全員と共有し、回答できる方よりご説明いただきました。

主な質問は次の通り
「不正確な森林簿情報に基づいた計画が認められているのか?更新はされないのか?」
・そもそも森林簿は森林状況を把握するためのもので経営を目的としていないため、管理する情報が十分ではない
・森林経営者や森林組合の報告により更新は続けている。(行政主導での更新は行っていない)

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「森林経営計画制度は誰のためか?何のためにあるのか?」
・林業で採算がとれるようになることを目指して制定されたことになっている。

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次に、森林所有者に利益を生むための森林経営計画とはどのようにあるべきか、そのために「森林経営計画作りが森林所有者にもたらすメリット」をまとめました。
これが見えれば、木材コーディネーターがどのように支援していくべきか指針が見えてきます。

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「森林の現状把握ができる」
「森林経営計画認定に必要とされるレベルにとどまらない、価値の高い木材生産や森林管理・森林経営の長期的ビジョンを持つための情報収集ができる」
「森林資産(境界、土地(=不動産)、木材(=動産))の管理ができる」
「小面積森林を束ねて一括で森林経営(=森林管理・資源利用)ができる」

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森林経営計画の作成にも、木材コーディネーターの出番が求められそうです。


【次回以降の研修会】

第2回木材コーディネート研修会
日時 :3月10日(土) 13:00 ~ 17:00
会場 :近畿中国森林管理局
講師 :安田哲也(NPO法人サウンドウッズ代表、兵庫県、平成29年度受講生)
    戸田昌志(戸田材木店経営、大阪府、平成26年度受講生)
    能口秀一(有限会社ウッズ代表、兵庫県、木材コーディネート基礎講座講師)
内容 :「地域材」ブランドに頼らない「生産者ブランド」は可能か?

第3回木材コーディネート研究会
日時 :4月21日(土) 13:00 ~ 17:00、4月22日(日) 9:00 ~ 12:00
集合 :静岡県立森林公園森の家
案内 :山田真弓(MORI-IKU、静岡県、平成27年度受講生)
受入 :天竜林研グループ
内容 :具体的な森林管理および木材販売事例に学ぶ(静岡県天竜地域編)


平成29年度木材コーディネート基礎講座が始まりました

2017年9月27日
木材コーディネート基礎講座が今年もいよいよ始まりました。
今年で8年目になります。

森林や木材に関わる各分野において、12名の方が全国より集まりました。
これから約半年をかけて、木材コーディネートの基礎を学んできます。

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【講座概要】

日時 :平成29年9月23日(土)10:00~16:30
講師 :能口秀一(木材コーディネーター)
事務局:安田哲也
インターンシップ生:秋田麻菜香、若林知伸
場所 :近畿中国森林管理局
内容 :オリエンテーション(10:00~12:00)
座学1 木材コーディネーター概論 (13:00~14:15)
座学2 原木の特性(14:30~15:45)
考査1(16:00~16:30)

【講座内容】

今年度はインターンシップ生それぞれのレポートを掲載いたします。

<講座レポート1  作成者:若林知伸>

オリエンテーション

講座に関する基本的事項の確認やスタッフの紹介の後、受講生の皆さんに自己紹介をしていただきました。
今年度の受講生は、東は山梨、西は熊本よりいらしており、この講座が全国に広まりつつあることを実感しました。

次に、3グループに分かれてグループワークを行いました。
テーマは、受講生の皆さんが、「この講座で身に着けたいこと」、「身に着けたことを武器に、実践すること」。
受講生同士で、講座に対する思いや、どのような目的を持って受講に望んでいるかを共有していただきました。

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各受講生がポストイットに書き出したものを最後に模造紙にまとめてもらい、個々のグループの代表者が、全体に発表をしました。
「森の価値を正しく見極められるようになりたい」といった川上に関する意見から、「木材の流通、消費の全体像を知りたい」といった川中に関する意見、そしてさらには、「情報発信力を身につけたい」といった意見などが出され、皆様のやる気を伺えるグループワークとなりました。

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各グループには川上・川中・川下からのメンバーが含まれていて、どのグループとも類似する意見が出ており、共通の問題意識があることも伺える発表でした。
専門分野の異なる受講生が集いましたが、それぞれが抱える課題に共感が得られ、受講生の距離も縮まったように思いました。

座学1 木材コーディネート概論

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木材コーディネーターでもある能口秀一より、木材コーディネーターとはどういった役割を担うのかといった基本的なことから、国内の人工林の状況・課題点や、一般的な木材流通と地域産材流通における違い、木材を利用することによって森の資源維持や育成にどうつなげていくかといったことが解説されました。

木材コーディネーターの役割においては、「山主に森の価値を認識してもらわなければ、森を相続してもらえない。」ということを踏まえた上で、「木材流通における各段階でのお金の計算ができることが木材コーディネーターにとっては必要。」といった心構えを教えていただきました。

また、戦後の林業業界において、施業の手法が進化し、木材の需要先も変化しており、需要価格が低下している中で、材の価格決定方法がこれまでと変わってきているということを解説していただき、「50年後の未来の森はどのように変わるのか」ということを予測することの難しさをお話いただきました。

その上で、コーディネーターとして、地域の森林をどう活かすのかということを念頭に、地域産材の流通をどう組み立てていくのか、また、消費者につなげていくことでいかに森づくりを継続してもらうかといったことの重要性が解説されました。

木材コーディネーターが有するべき意識や能力と、また周囲を取り巻く状況、今後どうしていくべきなのかということ、何をしなければならないかということが解説されました。

座学2 原木の特性

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まず、業界用語のチェックです。その意味について解説をしていただきました。
さすがに全てがわかる受講生はいらっしゃらなかったようですが、ほとんどわかった方もいらっしゃったようです。

原木の特性を見ることは、すなわち木材の品質を把握することにつながります。「立木の段階」「原木の段階」「製材の段階」のそれぞれで木材の品質を読むことができます。
川下になるほど情報量は増えますが、「最近では高性能林業機械を使用することで、樹皮の情報が途中で消えていってしまっている。」ということも解説していただきました。

また業界用語チェックでもあった、品質に関わるキーワードが、木材では実際にどのような状態を指しているのかということを写真で解説していただき、品質をコントロールするために人ができる手法の選択肢が解説されました。

木材の状態の解説の際には、「現場では、"曲がり"などは切断位置を調節して、外してしまう」といったことや、「"モメ"などは外見からはわかりにくく、製材時や、鉋(かんな)がけをした瞬間にしかわからない」といったことも教えていただきました。

また、そのような欠点があるため、「造材によって、品質も決まるので、伐採や玉切り位置を考える必要がある」ということを解説していただきました。
歩留まりを良くするためには、造材の仕方をよく考えなければならないことがわかりました。


<講座レポート2 作成者:秋田麻菜香>

オリエンテーション

アイスブレイクも兼ねて自己紹介から始まりました。
北は岐阜、山梨、南は佐賀、熊本と全国各地から、素材業から材木屋、建築士まで幅広い業種の方が揃いました。
これからの交流が楽しみですね。

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ワークショップでは、3チームに分かれ、「講座で身に付けたいこと」と、「身に付けたことを武器に実践したいこと」を考え、意見を出し合い、発表しました。
全体的に「木材流通の現状を知りたい」「川上側の林業の基礎を知りたい」という意見が多かったです。「木材の新たな有効活用法を見つけたい」ともありました。

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やはりみなさん外せないのは、異なる分野の知識を身につけ専門分野に活かすこと。そのために基本を学び、ニーズを知り、きちんと木材の流れを自分の言葉で言語化することへの姿勢を感じました。

ワークショップ中はみなさん活き活きとご自身の想いを語っておられ、チーム内の親睦を深める時間にもなりました。他にも多く出た意見である「新たなネットワークを作りたい」に一歩近づいた印象です。

座学1 木材コーディネート概論

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木材コーディネーターである能口秀一が講師となり、半年という長い時間をかけて木材コーディネート基礎講座を受講することの大切さについて確認しました。

木材コーディネーターの必要性と役割、人工林の現状を確認し、それを踏まえ、「どうしたら次世代へ価値のあるものを残していけるか」と投げかけられました。

「林業には様々な地域があり、たくさんの工程があり、まだ知らない需要があり、講座で紹介するのは一例。人工林は結局のところ所有者の目的を軸にした、人と人とのつながり。だから顔の見える人たちとの連携を大事にしてほしい。」

「自分たちはどこのエリアで、どう関わっていきたいのかを明確にし、各々が木材の価値を決められる知識を身につけることが今の林業・木材界に求められている」と説明がありました。

座学2 原木の特性

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育林と木材の品質や立木品質のコントロールの条件など、立木→原木→製材まで一連の特性について学びました。

「立木は原木に比べ、切り口、曲がり具合、年輪、色つやといった情報がないため、品質の判断がしにくい」

「原木をどこで切るか、ニーズ、時期によって値段が変わる」

「ニーズを知っておく事で作業の無駄を省き、木材を有効に活用し、なおかつ最も価値の高い状態で取引する事ができる」

品質の見極めやニーズの把握が、肝要なことが分かりました。


【次回の講座概要】

日時 :10月7日(土) 10:00~16:30
講師 :二階堂薫(コピーライター)
            能口秀一(木材コーディネーター)
事務局:安田、藤田
インターンシップ生:秋田、若林
場所 :近畿中国森林管理局
内容 : メディア活用講座(コピーライティング講座1) (10:00~12:00)
座学3 森林の計量・木材の計量 (13:00~14:15)
座学4 木材のグレーディング(14:30~15:45)
考査2(16:00~16:30)

平成29年度木材コーディネーター基礎講座スケジュール公開のお知らせ

2017年6月14日

平成29年度木材コーディネート基礎講座

スケジュール公開のお知らせ

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平成22年から開始し、今年で8年目を迎える木材コーディネート基礎講座を
今年度も以下の日程で実施することが決定いたしましたのでお知らせいたします。

平成29年度木材コーディネート基礎講座スケジュール
日程は以下からダウンロードくださいませ。

平成29年度木材コーディネート基礎講座スケジュールは こちら(124KB)
昨年度までの講座レポートはこちらから。



木材コーディネート基礎講座の応募方法
以下の日程から配布される所定の申込書に必要事項をご記入の上、
事務局までメールでお送り下さい。
※詳細は要項をご確認下さいませ。


講座の要項及び申込書の配布:平成29年7月22日より
講座のお申込期間:平成29年7月22日~8月21日17時まで