森は私たちにとって、かけがえのないものです。森が私たちに与えてくれるのは木材だけではありません。森の恵みは気づくことがないほど大きいといえます。しかし、森林の荒廃、林業の衰退が叫ばれ続け、解決の糸口はなかなか見えてきません。

木材コーディネーターは、木材の生産から加工、利用まで、林業や製材業、建設業といった垣根を越えて活躍する森に関わる新しい仕事です。木材を生み出し、暮らしに役立てるシステムをコーディネートすることで、森林所有者が森づくりに必要な収益を確保し、次の世代に豊かな森を引き継ぎ、持続可能な森づくりへの貢献を使命とします。

木材コーディネート基礎講座の概要

森を守るための「木づかい」のスキルとノウハウ、哲学を学ぼう。

木材コーディネート基礎講座は、毎年7月頃募集を開始し、半年間に座学と演習を含む10日間のカリキュラムが組まれています。木材の利用を通して、森から街に関わる広い視野やコミュニケーション能力、実際に木材を取り扱うために必要な基礎的な理解を身に付けることができます。

所定の講座をすべて受講した者には修了証が授与され、
修了者は准木材コーディネーター認定試験を受けることができ、
合格すると准木材コーディネーターに認定されます。

基礎講座のカリキュラム

育林と原木の特性
林業現場とその仕事について理解を深め、森づくりと木材の品質が密接にかかわることを学びます。高品質な木材は、林業家の手で育て上げることを知ります。
木材の測定と品質管理
木材の計量方法と、品質管理に必要な計測手法を学びます。品質を左右する欠点の見極めなども学びます。
木材価格を決定する要因
木材の価値を評価する「等級」と「値段」の関係を理解し、利用目的にあわせた価値算定や、隅々まで使いきる木材利用法を知って、原木の価値を最大化する手法を学びます。
製材工程の品質管理
原木を製材にするうえで欠かせない「木取り」手法や、木材の品質を安定させるための乾燥技術について学びます。
木材調達と建築のスケジュール
森林の立木の伐採から、搬出・運搬・製材・乾燥・加工にいたる一連の流れを理解し、木材利用の現場へ届けるために必要なスケジュール管理の手法を学びます。
リスクヘッジ手法、関係者とのネットワーク
木材調達において想定される危険予測とその回避方法を学びます。木材コーディネーターとして関係者との連携を保つことで、木材の品質を安定させるノウハウを身に付けます。
木材流通の認証制度
森林認証制度に始まり製材に関わる流通認証のほか、国や都道府県が進める木材利用の方針や制度について理解し、日本の森づくりと木材利用の将来について理解を深めます。

木材コーディネート基礎講座の概要