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実習5・6木材コーディネート基礎講座(平成29年度)

2018年2月26日
平成29年度木材コーディネート基礎講座もいよいよ最終回です。
第10回は、受講生各自がビジネスプランのプレゼンテーションを行い、
翌日の第11回は、プレゼンテーションについての意見交換会や
グループワークを行いました。
今回はインターンシップ生の若林、秋田の順でレポートいたします。

第10回・第11回の講座は以下の通りです。

【講座概要】

日時 :第10回 平成30年2月10日(土) 13:00 ~ 18:00
    第11回 平成30年2月11日(日)  9:00 ~ 16:30
講師 :赤堀楠雄(林材ライター)
    能口秀一(木材コーディネーター)
    島﨑淳二(一級建築士・島崎淳二建築設計室)
事務局:安田哲也
インターンシップ生:秋田麻菜香、若林知伸
場所 :近畿中国森林管理局
内容 :第10回 ビジネスプラン・プレゼンテーション (13:00~18:00)
    第11回 ワークショップ            (9:00~16:30)

【講座内容】

<講座レポート1 作成者:若林知伸>

第10回木材コーディネート基礎講座「ビジネスプラン・プレゼンテーション」

最終回は、受講生のビジネスプランプレゼンテーションです。

今回の発表者は11人。
林材ライターの赤堀氏、准木材コーディネーターであり一級建築士である島﨑氏、
そしてこれまで講義をしていただいた木材コーディネーターの能口氏をお招きして、
一人発表時間8分、講評・質問10分の持ち時間でビジネスプランを発表しました。

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みなさん、緊張した面持ちで発表です。

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講師陣からは厳しい質問や意見があがり、皆様それぞれ回答していました。

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「誰かの力を借りるということであれば、どういう人に頼むのかということを、具体的に踏み込んでほしい。」
「その企画を実行することで、どういうように社会や周囲環境が変わるかということも提案してほしい。」

「企画の中身からどのようなターゲットが対象となるのかということが絞られてくる。
そこを具体的にしていってほしい。」
「総額がどれくらいの事業で、どこに課題があるのかをつめる必要がある。
その課題を解決することをしっかりと見極めてほしい。」
「この講座を受けたことで、実務的にどんなことが必要になるかを触れることができたと思うが、どういった踏み込みの可能性が見えたか発表してほしい。」

最後には、私たちインターン生も発表の場を頂き、発表を行いました。

いろいろなプランを目の当たりにして、ビジネスの視点と木材コーディネーターの視点を両立させるためには、と考える一日となりました。
受講生は、お互いのプレゼンについて評価シートを記入し、最後に当事者にお渡ししました。
この評価シートが、今後ビジネスプランを具体的に考えるときのインプットとなるのではないでしょうか。



第11回木材コーディネート基礎講座「ワークショップ」

■ビジネスプラン・ワークショップ

第11回は、昨日のビジネスプランから、内容を掘り下げたいプランが2つ選ばれ、意見交換を行うワークショップから始まりました。

林業分野、木材利用分野の2分野から1名ずつが選ばれ、再び発表していただきました。

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そして、3つのグループに受講生が分かれ、グループごとにそのプレゼン内容に対して、課題やアドバイス、先行事例の共有などが行われました。

「イベントを開催するのであれば、自分が受けると思い込んで作りこみをしたほうがよいのでは。お客も真剣なお客が来ると思う。」
「地域を限定しすぎると、その先の展開が難しいのでは。」
「地域において活動する際に、その地域の方は受け入れる気があるのかを確認したほうがよい。」

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また受講生が実際に行っている事例も共有されました。
「山への投資という表現にすると、具体的に何が返ってくるのかが求められる。そこをつめる必要があるのでは。」
「地域のチームで課題に取り組む場合、チームのメンバーの役割を具体的にしておかないと、プロジェクトが上手く回らない。」

続いて、講師賞の発表があり賞品の授与がありました。

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■講師の講評と最近の事例紹介

林材ライターの赤堀講師より、今回の発表会全体に対しての講評、そして、林業や、木材利用における全国の様々な事例を紹介いただきました。

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「林業は、間伐して出た経費で収支が成り立つということではなく、植えるところから含めたトータルで成り立つかどうかを考えなければならない。」
「今、木材を利用しようという流れが主流だが、現在利用できるのは、過去に育てていたおかげである。
育て続けるということへの原資がないと続かない。それが忘れ去られている。」

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「今の林業はコストダウンという引き算を徹底的にするが、それで木の品質が落ちて、高く売れないなら意味がない。
引き算をしても良い木材を作ることが大切。」
「木材コーディネーターとしては、無垢の製材品をよりよく使い、山元に還元するようにしてほしい。」


■グループワークショップ

午後は、3グループに分かれてワークショップが行われました。
テーマは「大径原木を活かした商品企画の提案」
丹波実習で見学した100年生の杉林1haを皆伐して得られた材を売却するという設定で、立木価値を高めるための商品企画をグループで考えます。

まずは個人で商品アイディアを出します。
短い時間の中、次々と出される方もいれば、中々思い浮かばないといった方もいました。
その後グループで情報を共有し、どのようなアイディアが良いかを絞ります。
面白いアイディアが出て、中々絞り込めないチームもありました。
アイディアを絞り込んだ後は、商品の広告を考えます。
模造紙の半分の大きさに広告を作成し、また、どれくらいの価格や誰に売るのかといった企画内容をもう半分に記載していきました。

そして、グループごとに発表が行われました。
各グループ、ユニークなアイディアが発表され、会場も盛り上がりました。

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講師陣からは、
「丸太はいくらで買えるのか。」
「販売元にはいくら入ってくるのか。」
「製造原価はいくらなのか。」
「商品の販売方法や搬入方法は。」
といった現実的な質問があがり、皆様和やかに答えていらっしゃいました。

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「山主に還元するという木材コーディネーターとしての根本を忘れずに今後も取り組んでほしい。」
という講師の締めくくりの言葉をいただき、本講座は終了しました。


■修了式

最後に、今回の講座をもって、木材コーディネーター基礎講座の全講義を受講修了した方に対し、修了証の授与式が行われました。

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皆様ほっとされた様子で受け取っておられました。

■さいごに

早いもので、平成29年度木材コーディネート基礎講座の全講座が終了しました。
この講座をインターン生として手伝わせていただきましたが、少しでも皆様のお役に立てたなら幸いです。
私もこの講座より多くの学びを得ることができました。
ここまでこられたのも、サウンドウッズやインターン生の皆様、そして受講生の皆様のおかげです。深く感謝いたします。
またどこかで皆様とお会いできることを楽しみにしておりますし、ぜひ何か企画をご一緒できることを願っております。
本当にありがとうございました。


<講座レポート2 作成者:秋田麻菜香>

ついに養成講座も最終となる第10回・第11回を迎えました。
これまで講義いただいた能口秀一講師に加えて、今回は特別講師として、林材ライターの赤堀楠雄講師と、この基礎講座の先輩でもある建築士の島﨑淳二講師をお呼びしての成果発表会です。

第10回木材コーディネート基礎講座「ビジネスプラン・プレゼンテーション」

ビジネスプラン・プレゼンテーションでは、これまでの半年間の学びの成果としてビジネスプランを作成したものを、発表します。
11名の受講生の方々が、日頃から携わっている分野に木材コーディネーター的視点を取り入れた提案を発表しました。

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山から街へ、街から山へ、様々な角度からの提案は、どれも、受講生の個性があらわれている発表でした。

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発表後の講評では、「このプレゼンを通して、あなたは、何がしたいのか」と、時に厳しい指摘も受けながらも、講師ならではの着眼点で、今後に繋がる道を示してくださいました。

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中には、これまでの取り組みで使用した木製品を、実際に持ってきてくださる方もいらっしゃいました。 

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最後にはインターン生にも発表の時間をいただきました。受講生同様、ここでの学びが、今後に活きてくるのではないでしょうか。
講評では「木材業界は暗いニュースが流れがちだが、ワクワクするような気持ちでいてほしい」という意見が寄せられました。


第11回木材コーディネート基礎講座「ワークショップ」

■ビジネスプレゼン・ワークショップ

第11回は、まずビジネスプレゼンのワークショップ。
昨日の発表から、山側と街側の視点から一つずつ選抜し、受講生のみなさんとさらに中身を深めてゆきました。

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発表者に昨日のおさらいをしていただいた後は、チームに分かれて意見を出し合い、
「そもそもここから確認していかないといけないのでは」
「もっとこうしたらいいのではないか」
など、それぞれの案の課題と提案を発表しました。

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提案を実現させることは、なかなか難しいことですが、プレゼンを通して、自分の中にある想いを「言葉」に変換したことで、次に取り組みたいことが明確になったのではないでしょうか。

続いては、3人の講師が選んだ講師賞の発表がありました。
受賞者には、それぞれの講師がおすすめの本をお渡しします。

能口賞は、子ども向けの木に触れるイベントの提案を発表した方が受賞されました。20180211Akita3-1.JPG

島崎賞は、デザイン性のある柱に注目した発表をされた方が選ばれ、デザインの考え方に関する本が授与されました。
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山と街を繋げる提案をされた方には、赤堀賞として赤堀講師が自ら執筆された「林ヲ営ム」が手渡されました。
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■講師による発表

林材ライターとして全国の山を駆け回る、赤堀楠雄講師による発表がありました。
「林業として生活を営む」とはどういうことなのか、自らの経験を交えて、お話ししてくださいました。

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山は木を伐るだけではなく、山菜を採ったり、日用品の原料を育てたりと、様々な場面で暮らしを支えてきたこと。
また、どこも同じように見える林業でも、地域によって、人によって意味合いは異なってくること。
そういった、山と密着した生活の営みにおける、歴史や現在の課題などを、わかりやすく解説していただきました。

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なかでも、課題について述べていた際の、「林業を採掘業にしてはいけない」という言葉が印象的でした。
まずは、「林家の意欲を引き出すところから取り組まないといけない」と赤堀講師。そのためには何より、ワクワクする気持ちが重要だと言います。

■グループワークショップ

最後の講座はワークショップです。テーマは「大径木を活かした商品企画の提案」
近年、ますます長伐期施業が増え、太い木(大径木)が育ってきています。
今回は、そのような時代の課題に即したテーマに沿って課題解決案を導きだします。

これまでにも、企画をするワークショップは何度か受講していただきましたが、今回は流通と価格設定も含めて一連の流れを考えていただきました。

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様々な意見が出てきますが、全ての問題を解決する案を探し出すことに苦戦している様子がうかがえました。

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そのような中で、なんとかしぼり出した案を、「だれに」「どのように」「どんな価格で」など、企画を詳細なものへと中身を詰めてゆきます。

最後には限られた時間で考え抜いた解決案を発表していきました。

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どのチームも、太い木という特性を存分に活かした案が上がっており、興味深い内容となっていました。
しかし、講師からは、原価や乾燥に関する現実的な質問が飛び交い、まだまだ問題が多くあることが理解できました。

このワークショップでは、企画における持続性や実現性の重要さを再確認できたのではないでしょうか。

■修了式

修了式では、全11回の講座を全て受講していただいた、8名の受講生の方々に修了証書が授与されました。

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最後に能口氏は、
「流通を理解し、価値をつけることは難しいけれど、いかにして木を活かすのかという視点を常に持ちながら、これまでの経験を活かして欲しい」という言葉を残していました。
これからも、根本的な考えを忘れないように意識していかなければなりません。

事務局の安田氏は「今回、木材コーディネーターという資格を持ったことで終わらずに、これをきっかけにして次のステップに進んで欲しい」と述べていました。

■さいごに

全体を通して、毎回の講座の内容は難しく、理解しきることができていないと思っていましたが、赤堀さんの「林ヲ営ム」を読んだ際、「あ、この前講座でやってことだ」という場面がいくつもありました。
一度で数値まで理解することは至難の技ですが、流れや気持ちを、予めなんとなく把握しておくと、あとからの吸収力に違いが出てくると感じました。
基礎講座なので当たり前かもしれませんが、この講座は次のステップに向けての感覚を養う為のものだと体験を通して理解することができました。
最後になりましたが、サウンドウッズの皆様、半年間インターン生として関わらせていただき、誠にありがとうございました。