木材コーディネート基礎講座2018説明会・大阪会場レポート

2018年8月08日
西日本豪雨のため、7月7日開催予定の木材コーディネート基礎講座説明会は
7月21日順延いたしました。
7月21日に開催いたしました説明会の様子をレポートいたします。
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【説明会の概要】

日時  :平成30年7月21日(土)14:30~16:30 (14:00受付開始)
場所  :大阪木材仲買会館 大会議室
プログラム:
   開会の挨拶
   第1部 木材コーディネーターの解説、講座紹介
   第2部 基礎講座修了生のパネルディスカッション
   募集要項の説明
   閉会 (個別相談対応あり)
登壇者 :
   山田真弓(平成27年度受講生)
   田中良平(平成25年度受講生)
   宮村 太(平成27年度受講生)
第2部ディスカッション司会:
   能口秀一(基礎講座講師)


【説明会の詳細】

説明会の前に、会場の大阪木材仲買会館について、
大阪木材仲買会館の事務局長であり、平成28年度修了生の大町さんが
ご案内くださいました。

木材がふんだんに使われた会館を隅々まで拝見することができました。
木材が醸し出す上品な仕上がりが、思わず参加者のため息を誘います。


<第1部 木材コーディネーターの解説、講座紹介>

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代表の安田より、サウンドウッズの概要と、木材コーディネートの必要性や、
木材コーディネーターの仕事について、説明がありました。

「価値ある森の資源を」「街で暮らしに役立て」「収益を森に還元し」
「次世代に森を継承する」「"仕組み"をつくる」

このサウンドウッズの理念を行動に移すと、

「森を育てる」「利用先を開拓する」「木材コーディネート」
「持続的経営」「事業プロデュース」

だとサウンドウッズは考えている、と解説。

そして「森を育てる」ために必要な意欲を高める仕組みを
木材コーディネートで実現していくことができると説明がありました。

つまり、木材コーディネーターは日本の木の文化と林業を
未来につなぐ仕事である、と締めくくりました。


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次に事務局より、木材コーディネート基礎講座の概要と、
木材コーディネーター認定制度について説明がありました。

基礎講座で目指すところは、森林から街まで木材を届けるために必要な
各分野の知識を習得し、ご自身の立場で得た知識を活用すること。

そのために、知識をどのように活用するかプレゼンテーションを最後に行い、
習熟度をはかるとのことでした。

テキストベースの座学、計測・製材など実技を含む演習、
ワークショップやプレゼンテーションとバラエティに富んだ講座の紹介があり、
日本全国から様々な業種の方が集まり、フラットなネットワークができる、と
さらなる魅力について紹介がありました。

基礎知識を習得していることを示す「准木材コーディネーター」、
プロジェクトを主導できる実力を持つ上級資格「認定木材コーディネーター」
いずれも基礎講座を修了することが、資格取得への入り口になると、
説明がありました。

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最後に、受講後に任意で所属することになる木材コーディネート研究会について
平成29年度代表の野間氏より、説明がありました。

受講することで受講生とネットワークができるが、所属することで
別の年度の受講生とも知り合うことができ、ネットワークがさらに広がること、
さらに、毎年企画してワークショップや視察研修など開催していること、など
自主的な活動について説明がありました。

ご自身も、基礎講座での知識が業務で役に立っているとのこと。
基礎講座の受講が、すべての入り口になることがよくわかります。


<第2部 基礎講座修了生のパネルディスカッション>

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まずパネラーの自己紹介です。

宮村氏:11年前に設計事務所を独立。地域の林業家に巡りあう機会があり、
    林業家や地元の製材所と「安曇川流域森と家づくりの会」を設立。
    木造住宅設計の仕事と家づくりの会で木とかかわる仕事に
    携わっています。(滋賀県)
田中氏:木材流通に携わっていて主な顧客は工務店、デザイナー、施主。
    山側はどのような木を育て、町側は何を欲しているのか、きちんと
    橋渡しができればと思い、基礎講座を受講。
    本業のほかにはカホンプロジェクトで木材で打楽器を製作する
    ワークショップを全国で実施しています。(大阪府)
山田氏:フリーのフォレスター。教職、青年海外協力隊を経て、森林組合
    民間の林業事業体でプランナーを経験し、昨年度独立。
    林業学校で教師をし、モクイク事業も行っています。(静岡県)

能口氏:本業と、それ以外の仕事として木材と人をつなぐ活動されています。
    専門性を習得すると広い視野が必要になってくるので、
    視野を広げるうえで大変有効だと考えます。
    基礎講座は、同じような課題を持つ受講生と、その課題に向き合って
    ディスカッションしながら解決策を練っていく授業形態になっています。

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次に、受講後の変化について聞きました。

宮村氏:木材コーディネート基礎講座を受講したのは、
    「木材コーディネーター」という勉強したという肩書きがあれば、
    山主さんとより深い話ができるのではないかと思ったため。
    実際に、受講したことで自信がついたし、肩書きを期待されて
    木材の有効利用方法について相談を受けるようになしました。
    立木の取引値段について値段の仕組みが分かるようになったので
    標準価格と比較して、山主に良い値で提案できるようになりました。
能口氏:取引の間でどのような状況なのか把握することは難しいが、
    さらに飛び越えてその先の状況を把握することはもっと難しい。
    講座を受講して、各分野での言葉を持つと理解して聞き取れる
    ようになります。情報の聞き取り能力があがります。

田中氏:木材コーディネート基礎講座を受講してからは、
    お客のニーズをヒアリングして情報を整理して適材を提案できる
    ようになりました。これまでだと、安直に使いやすい材を提供してきた
    が、出回る情報を整理することができるようになり、提案に結び
    つけられるようになりました。
能口氏:流通している木材はすべて地域材ではないし、製材もそうではない。
    一般には、販売側の人はみな同じ情報を持っていて、自分にあった
    木材を提案してもらっていると思いがちです。実は、情報は分断
    されていることが多いです。
    基礎講座では、実際に具体事例をもとに勉強します。
    一般消費者に情報を提供することで仕事に幅が生じてきます。

山田氏:木材コーディネート基礎講座を受講して、各業界、特に木材関係者と
    木育関係に信頼感が増しました。
    受講前は、丸太の価格が四分の1や五分の1にまで下がっている
    状況について誰が儲けているのか、懐疑心でいっぱいだったが、
    受講して、価格の成り立ちについて納得し、各業者を信頼できる
    ようになりました。木材の販売までかかわったほうがおもしろいことに
    気づき、プランナーの資格を取得しました。
    また受講することで、同期ができ、山に収益を還元すべきだと
    考えている人はこんなにいるんだと刺激を受けました。
能口氏:木材の価格は、利益率や加工費など積み上げで成り立っていますが、
    山主に収益を還元できているのか、意欲を持っていただいているの
    でしょうか。
    基礎講座では、生産コストを下げるべきか、高く販売するのか、
    製材実習で取り組んでもらい、細かく計算し、結果をもとに検討を
    していきます。

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さらに、木材コーディネーターの視点がどのように役立っているのか
話していただきました。

宮村氏:山の木を活かすことを念頭に置いて設計や部材の調達をするように
    なりました。「山側に軸足を置いた活動」ですね。値段や木材の
    使い方をちゃんと説明できるようになりました。
    お客さまに対しても、値段についてきちんと説明しています。       
田中氏:お客さまである工務店に、国産材を使う理由について正しい情報を
    提供できるようになりました。材木屋の仕入れ先は市場や問屋
    ですが、実はどこの材木かわからないことが多いです。
    そこで産地を追跡できる国産材を製品にしたいことについて
    山側に理解していただき、その山から出した立木を製材して
    お客さまにすすめられるようになりました。
山田氏:山側と町側の通訳でしょうか。
    以前、山側の方と工務店の間の取引に立ち会ったのですが、
    山側は丸太の材積について販売価格を提示し、工務店は製材の
    立米単価について買取希望価格を提示し、まったくかみ合わず
    取引が成立しませんでした。今では双方が希望することが何か
    理解できているので、値段交渉に役立てています。

能口氏:基礎講座を受講すると、具体的な話ができるようになります。
    また、他の地域の例にであい、取り入れることで新しい組み合わせ
    を発見することができます。

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最後に今後の活動について話していただきました。

宮村氏:山の森林経営計画を作っていきたい。知識が足りていないところも
    あるので、能口さんや山田さんや木材コーディネート研究会の
    ネットワークの中のよく知った人に相談して作り上げていきたいです。
    そして、「安曇川流域森と家づくりの会」で林業・木材生産を一貫した
    本格的な木材流通を作り上げていきたいです。
    個人的には、「認定木材コーディネーター」資格を取得したいです。
田中氏:木材の流通についてエンドユーザーにきちんと説明していきたいです。
    近頃は、「どこで木材が調達できるかわからん」「木材の使い方が
    わからん」「木材のメンテナンス方法がわからん」とわからん尽くし
    ですが、これを解消することによって山の材がスムーズに流れれば
    木材コーディネーターとして役割を果たすことになると考えています。
山田氏:地元天竜の自伐林家の木を付加価値をつけて販売していきたい
    です。高級材は見合った金額で販売していきたいです。
    どのように販売するか提案しているのですが、一方で建築向けでは
    なく家具やおもちゃの用途で木材を使うワークショップを開催し、
    一般の方に天竜の木に触れてもらう機会を持っと作っていきたいです。

能口氏:木材コーディネーターはいろんな形でいろんな分野で活躍のし方が
    変わってくる。長期計画で木を育てていく中で、常に新たな需要を
    見出し、木資源の使い方についてこれでいいのか確認していく必要が
    あります。それは、私たちの「未来への責任」であります。
    未来へ順送りしていく資源なので、流通を俯瞰してこの先を俯瞰して、
    次に取り組んで、いろんな木材コーディネートの活動をしていきながら
    認知度を上げることで次の木づかい・森づくりへつながっていく。 

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会場より質問がありました。

1.(田中さんへ)製材所で流通に携わっている中で、山に目覚めたのはいつですか?
  製材業を営んでいるが、山側に関与しようとしたときに門前払いだったことがあり
  山側と流通の間に溝があるのでは?と感じたことがあった。

田中氏:カホンプロジェクトを始めるようになって森林組合に木材利用の相談を
    いただいたことがあって、山を意識するようになりました。

能口氏:業者間で連携が必要な時代に入ってきている。
    製材所がもうかっている時代ではなく、小規模の製材所は特に高い付加
    価値をもたないと生き残れない。
    地域ごとの課題は地域の資源を使いながら森林をどうしていくのか
    木材コーディネーターが直面している。関われるのは地元の人なので
    みなさんの意識が変わるような活動につなげていく必要がある。

2.基礎講座の最後にビジネスプレゼンをすると説明がありましたが、パネラーの方は
  プレゼンの内容と現在の活動はつながっているものなのでしょうか?

宮村氏:プレゼンでは柱を作ることを提案しました。成果は、目標年間700本のところ
    2‐3割になっていて、量産できない原因を探ると、結局、森林経営計画を
    きちんと立てて、供給できる体制をつくることが必要だとわかりました。
    そこで、目下の目標は森林経営計画をつくることなのですが、当時のプレゼン
    に由来していることになります。
田中氏:プレゼンではカホンプロジェクトのワークショップを通して環境教育を提案しま
    した。ここ最近、大阪かわち材を使った保育所の提案に関わることになり
    そうで、直接ではないですが、志した教育関連に関与できているかと考えて
    います。
山田氏:プレゼンでは森林教育と自伐林家の支援について提案しました。森林教育に
    ついて学校の出前授業のほか教員向けの授業を企画しています。自伐林家
    の販売支援については販売にまでこぎつけていないですが、地道に活動中
    です。


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最後は、次のように締めくくりました。

能口氏:基礎講座では、自分の専門知識と比較しながら、異業種においてどの程度
    基礎レベルを学習しているのか測りながら臨んでいただきたい。
    まさに、横の知識を拡げていく講座となる。

    知識を横へ広げた結果、どうするのか?
    森林を50年後どの形にしていくのか?
    所有者がどういう思いを抱いているのか?
    木材利用という形のメンテナンスをどのように関わり、考えていくか?
    自分がかかわる地域の方との情報共有を図るための基礎知識を学ぶ。
    
    全然予備知識がない人にどのように伝えればいいのか、
    情報を拡げていくためには全体を視野に入れながら、
    どういうポイントを聞けばいいのか探りながら、
    わからないこともその場で確認しながら前進して習得する、
    基礎講座ではそのような訓練もできる。

    その次に、理念を持って価値に見合った材木利用を考え、
    目先のことにとらわれず、
    次のビジョンをもってビジネスをどのように作っていくか。
    「業」としてつながりをもって次の担い手を育て、
    役割を再構築していく上で、木材コーディネーターが求められている。


<募集要項の説明>

最後に、事務局より募集要項のパンフレットについて説明がありました。
募集期間は、7月31日から8月20日
申し込み用紙は、ホームページよりダウンロードしていただきたいとのことです。

募集要項と申込用紙はこちら(募集ページへリンクします)


<閉会>

時間いっぱいで、閉会いたしました。
個別相談については、スタッフや登壇者の周りに参加者が集まり、
おのおの質問していました。


本日は大変お暑い中、お集まりいただきありがとうございました。
悪天候のため、急遽日程変更になったにもかかわらず、
足をはこんでいただき、本当にありがとうございました。

ぜひとも木材コーディネート基礎講座にお申込みください!
ご応募お待ちしております。

【募集情報】木材コーディネート基礎講座2018
こちら↓