01/06/2020
【レポート】第7日木材コーディネート基礎講座(令和元年度)
会場を埼玉県飯能市に移し、第4日で伐採した立木を第7日第8日の実習でいよいよ製材します。
まず、製材に入る前にどのような材木が必要なのか掴む実習です。
講座の様子は、インターン生の輪竹がレポートします。
【講座概要】
日時 :令和元年12月21日(土)10:00~17:00
講師 :能口秀一(木材コーディネーター)
安田哲也(一級建築士)
事務局:安田哲也、井上淳治
インターンシップ生:輪竹剛
場所 :東吾野公民館
雑貨カフェKinocaの製品保管庫
内容 : | 演習E 木拾い演習 | (10:00~12:00) |
演習F 目視等級 | (13:00~15:00) | |
演習G 木取り演習 | (15:00~16:00) | |
演習まとめ | (16:00~16:40) |
【講座内容】
<講座レポート 作成者:輪竹剛>
演習E 木拾い演習
設計図面等からどのようなサイズの木材が必要か読み解くことを木拾いといいます。
前回の講座で配布された設計図面から木拾い表を作成する宿題を、受講生相互で答え合わせを行いました。
解説は、一級建築士の安田氏です。
柱や梁桁、筋交いなどの構造材としての木材の必要量を図面から読み解いていきます。
個別の部材の端部を仕口といいますが、仕口がどのようになっていて、その加工をするために必要な木材の長さを間違いなく算出することが必要です。
この実習を行うことで、木材は断面よりも長さ方向の部材のロスが出やすいということがわかります。
木造建築に普段触れることがない受講者にとっては、宿題で予習してきたにも関わらず、構造や部材名など慣れない用語と感覚を使う演習となり、講師の安田氏や受講者仲間に何度も繰り返し聞きながら内容を確かめていました。
木拾いをして木材の材積がわかったところで、能口氏からそれぞれの部材の立米単価が書かれた表が配られました。
木材に関わる川上から川下までの全ての事業者の利益が向上するためには、なぜ木材利用の中でロスが生まれて丸太全体の価値が落ちてしまうのかということを知ることが必要だという説明がありました。
木拾いを先に行って、必要な材の種類と材積を計算してから、逆算して丸太の木取りを考えられると、最も効率よく丸太の価値を高められます。
一方で多くの原木市場や製材、プレカットの現場では、作業の効率性などから、必要な部材を想定していちいち数値を変えることが難しいのも現実です。
しかしこうした事実を踏まえた上で、どうしたら木材の価値を向上することができるか考えることも、コーディネートの応用として必要なスキルなのです。
演習F 目視等級
午後は木材倉庫にある柱材と板材を見て、これまで座学で学んだ木材等級(無節、上小節、並など)を判別する演習を行いました。
一本の製材された製品を見て、元の原木がどのような様子であったか想像してみます。
具体的には、原木の元と末、節の大きさや状態、枝の方向、枝打ちされていたかどうか、原木の曲がりなどについて、能口氏から解説を受けながら製品の等級を確かめていきます。
能口氏からは、原木を見分けられる目利きの力をつけるには、毎日200本の原木を製材することを5〜6年続けていかなければいけないが、製材したものから原木を想像することを続けることで、原木を目利きする際の助けになるとの解説がありました。
演習G 木取り演習
10月の飯能演習A、Bで伐採したスギを元玉、2番玉、3番玉に分け、3グループに分かれて木取りの検討を行いました。
これらの丸太は翌日の製材所演習で実際に挽くになっており、どういう挽き方をするかをグループ内で墨付けまで検討します。
どの木取りが最も歩留まりが良く、丸太の価値を最も活かすことができるかという視点で、丸太の腹と背、節の位置をチェックします。
丸太表面や木口の情報から中の丸太の状態を見分ける力が必要です。
能口氏からは、1回丸太を転がして見る中でそれらの見分けをしていくのだとの話があり、受講者もびっくりしていました。
元玉と2番玉を玉切りした芯の部分に内部割れがありました。
どのような理由でできたのか、また、この割れがどの部分まで入っていて、製材した時にどんな影響があるのか受講者も判断できず、翌日の製材所演習まで悩みの種となります。