【レポート】令和6年度木材コーディネート基礎講座第7回
第7回はオンライン講座の最終回。
木材コーディネーターとして立ち回る心得が凝縮された講座です。
本日もインターン生お二人にお手伝いいただき運営を進めていきます。
【講座概要】
日時: | 令和6年11月23日(土)15:30~17:30 |
講師: | 安田哲也(NPO法人サウンドウッズ代表理事) |
事務局: | 藤田良子 |
インターン: | 本田久瑠美、藤田広大 |
実施方法: | オンライン |
【内容】関係者ネットワーク構築と配慮すべき事項
前編 : | 1 ネットワーク構築の方法 |
中編 : | 2 連携事業者の種類と体制 |
後編 : | 3 製造工程におけるリスクヘッジ |
【講座詳細】
本日の講座のレポートは、インターン生の本田さん、藤田さんの順番に掲載いたします。
■ 受講レポート (本田久瑠美)
第7回目の講座は木材コーディネーターに必要な関係者ネットワークについて、
流通の各段階における役割や体制、配慮すべき事項等、実践的なことを教わりました。
木材流通には、山主や林業事業体、製材所、工務店、設計会社、林務行政など、多くの関係者が存在します。
木材コーディネーターは関係者同士をつなぐのですが、
自分自身もその中の一人として働く場合は、利害関係を慎重に調整する必要があり、なかなかうまくいかないのが実情です。
また、木材コーディネーターの他に、地域の「キーマン」となる人を探すことが重要だそうです。
キーマンはプロジェクトにおける原動力となる人材であり、安田氏の経験上、欠かせない存在だそうです。
木材コーディネーター1人の力では、地域の課題を解決することはできないからです。
日本全国で、これまで地域振興のための取り組みが数々行われてきたが、うまくいかなかった主な原因は
「行政や関係業者が主体で進めている」「地域の人が参画していなかった」だそうです。
それは結局、キーマンがいなかったということだと理解できました。
木材コーディネーターの具体的な仕事は、
事前資料調査や視察、プロジェクトの設計から、
各業者へのアプローチ(取引条件の交渉、仕様書・契約書の作成)等とさまざまです。
そのためには取引価格や加工体制など、地域の流通全体を把握する必要があり、
やはり関係者との良好なコミュニケーションが欠かせないと感じました。
■ 受講レポート (藤田広大)
今回の講義は木材コーディネーターがビジネスとして動くためのスキルが凝縮されていました。
新たな事業を行う際の手がかりを見つけ、繋げるために大切なことは、
地域の「キーマン」を探し連携していくこと。
そして、需要と共有、他との連携を比較し、地域環境を評価していくことだそうです。
各事業者へ親身になりながらアプローチし関わりを持ちつつ全体を俯瞰し、
全体の動きや時間軸を把握しながら適正な方向に導く能力が
木材コーディネーターに求められる技術だと感じました。
「自分の仕事(分野)を他分野の人に説明できるか」
理解しているつもりで、自分の業務範囲を基準にし、ミスマッチを起こしている例は
木材に限らず社会全般に見られる日常だと感じました。
原木市場の機能解説では、とくに仕分け機能が需要と供給のバランスを整え、
ニーズに対応することが可能になることを改めて認識しました。
製造工程におけるリスクヘッジでは、
必要になる製材のボリューム感を伝えることが重要だと説明がありました。
「規模感が異なることを把握して、連携業者とコミュニケーションをとることが大切」
そして、建築部材情報を木材資源情報を読み変える「翻訳」作業は、玉切り作業時にも必要です。
川下にとっては、用途に合った木材を調達でき、
川上にとっては無駄な伐採を省くことになり、余分なコストを抑えられます。
「将来のビジョンを見通してニーズへ対応し、高付加価値化をはかる」と説明がありましたが、簡単なことではありません。
しかし、木材コーディネーターに求められていることだと実感しました。
【次回】
日時: | 令和6年11月30日(土) 10:00~17:00 |
講師: | 能口秀一(木材コーディネーター) |
事務局: | 安田哲也 |
インターン: | 本田久瑠美、藤田広大 |
開催地: | 丹波市立幸世交流施設、有限会社ウッズ(丹波市) |
内容: | 演習3 木拾い・製材品等級・木取り演習 |
演習3-1 | 木拾い解説 |
演習3-2 | 目視等級 |
演習3-3 | 原木選び・木取り |
演習3-4 | 木取り検証 |