【レポート】令和6年度木材コーディネート基礎講座第10回

第10回は、これまでの講座での学びを今後の活動プランに盛り込んで
受講生に発表いただくビジネスプラン・プレゼンテーションです。
本日もインターン生にお手伝いいただき運営を進めていきます。
 
 

【講座概要】

日時: 令和7年1月18日(土) 9:00~18:00
ゲスト講師: 戸田昌志(認定木材コーディネーター)
講師: 井上淳治(認定木材コーディネーター)
能口秀一(木材コーディネーター)
事務局: 安田哲也、藤田良子
インターン: 藤田広大、本田久瑠美
開催方法: オンライン

 

【内容】ビジネスプラン・プレゼンテーション

はじめに
第一部 受講生による発表
第二部 受講生による発表
第三部 受講生による発表
おわりに

 

【講座詳細】

 

■ 受講レポート (本田久瑠美)

 
発表時間は8分間で、その後、講師達からの講評を受けます。
その間、他の受講者は、発表者ごとに「評価シート」を記入します。
 
評価シートには、話し方や発表の内容、資料の見やすさ、
ビジネスプランの実現可能性や発展、森林所有者と木材利用の現場を繋ごうとしているか等
木材コーディネーターを目指すうえで意識すべきことが列挙されていました。
 
ビジネスプランの内容は人それぞれですが、
木材流通の川上・川中・川下のどこに所属するかによって、
提案の傾向が見受けられました。
 

 
「森林林業」の人達は、地域の状況をよく知っていて、
地域に合わせた様々な提案(レクリエーション利用、利用や販売の促進等)が展開されていました。
 

 
また、「木材製造流通」の人達は、木材流通の中間の立場で、
川上と川下をうまく繋ぐ仕組みづくりを構築したいと考えていました。
 
「木材利用」の人達は、企業と森林を繋ぐビジネスプランが多く、
その内容は社員教育やアメニティ製作、社有林の利活用など幅広く提案されていました。
 

 
講師のコメントの中で、特に印象深かったのが次の二つです。
「このビジネスプランを作成することが、木材コーディネーターとしての始まり」
「ビジネスプランには、【出口】(販路)を見つけておくことが大事。熱い思いばかりだけではいけない」
 

 
今回の講座は長丁場でしたが、ビジネスプランは各々の個性やバックグラウンドが
よく反映され、とても興味深く、あっという間に時間が過ぎていきました。
知らないことや私にはなかった発想が盛り沢山で、終始驚きの連続でした。
 
私は以前より「製材品の材積から原木の材積を出せたら…」と考えていましたが、
既にBIMという便利なプラットフォームがあることを知りました。
 

 
また、災害時の仮設住宅用に木材をストックしておくというアイデアも「目から鱗」でした。
改めて木材コーディネート基礎講座のインターンとして参加できてよかったと思いました。
そして、川上から川下までを繋ぐコーディネーターがそれぞれいることで、
これらのようなビジネスが実現できると思うと、木材利用の未来はとても明るいと思いました。
 
 

■ 受講レポート (藤田広大)

 
はじめに発表順のくじ引きを行いました。
そして事務局からゲスト講師の紹介があり、早速プレゼンが始まりました。
 
受講生が今まで培った技術や経験に、基礎講座で学んだことを加え、
各自のフィールドで展開できるビジネスプランをまとめ、8分間の発表を行います。
 

 
各自の発表後には、講師たちから質問やアドバイスを受けます。
発表者以外の受講生は、「話し方、スライド編集、事業企画、詳しく尋ねたいこと」といった評価シートを記入し
事務局に提出です。
 
自身の仕事や地域課題について木材コーディネーターとして
どのように改善・開発・進化できるのかを真剣に考えていることが伝わってきました。
 

 
過疎化する地域、震災対応といった将来避けては通れない課題への対策や、
情報技術を使い木造建築を推進しやすい社会構造の構築を提案する方。
 

 
デジタル技術によるロスの少ない木材活用、
もっと気軽に一般の方が木材を手に入れやすいシステムづくりといった
先端技術を取り入れた課題解決案があり、
それらを実現するための具体的手段やスケジュールでプレゼンされているのが印象的でした。
 

 
講師たちからは、次のようなアドバイスがあり、
「地元(集落)とクリエイター(新規参入者)の融合が大切」
「出口(販路)が大切。木の特性から用途を開発する」
発表者だけでなく視聴している受講生それぞれが、
課題を掘り下げる糸口を見出しているようでした。
 

 
なかには思いが強すぎて、形にまで繋げられなかった方もいましたが、
努力し続けることで点と点が繋がると思います。
講座でプレゼンして終わりではなく、この先の実現に向けていってほしいと感じました。
 
お互いのプレゼンや講師からの助言を聞くことで、
木材コーディネーターとして実践的に展開してく際の新たな刺激にもなったのではないでしょうか。
 

 
9月から12月までの4ヶ月間で、
川上・川中・川下のそれぞれに関わる受講者が集まり対話しながら、
一連の流れを学習・体験することでそれぞれの刺激になったのだと思いました。
 
また今後も木材コーディネーターのネットワークを活かして、
今日のビジネスプランが実現できればと思いました。
 
 

【次回】

日時: 令和7年1月25日(土) 13:00~17:00
ゲスト講師: 戸田昌志(認定木材コーディネーター)
講師: 井上淳治(認定木材コーディネーター)
能口秀一(木材コーディネーター)
司会: 安田哲也(NPO法人サウンドウッズ代表理事)
事務局: 藤田良子
インターン: 本田久瑠美
開催地: エルおおさか(大阪府立労働センター・大阪市)
内容: 第11回ワークショップ、令和6年度修了式