【レポート】令和7年度木材コーディネート基礎講座第0回

今年も木材コーディネート基礎講座が始まりました。
インターン生の方に運営を手伝っていただきます。
 
今年は、第1回の対面講座の前に知っておいていただきたいことをまとめた
第0回オンライン講座を実施することになりました。
 
 

【講座概要】

日時: 令和7年9月18日(水)18:30~21:00
講師: 安田哲也(NPO法人サウンドウッズ代表理事)
事務局: 藤田良子
インターン: 小田幸奈
方法: オンライン

 

【内容】

はじめに (18:30-18:35)
第1部 オリエンテーション (18:35-19:20)
第2部 関係者ネットワーク構築と配慮すべき事項 (19:30-21:00)
おわりに (21:00-21:10)

 

【講座詳細】

第2部の講義については、インターン生小田よりレポートします。
 

■講座レポート

 

第1部 オリエンテーション

 
事務局より、受講をする上での注意事項について説明がありました。
オンライン講座だけでなく現地演習へのアクセスについて
さらに、修了課題の説明もありました。
 
講座の資料や考査の提出はGoogleアプリの一つ「Google Classroom」を使用するとのこと。
使い方について説明がありました。
 
一通りの説明があった後、いったん休憩に入りました。
休憩の後はいよいよ講座です。
 

第2部 関係者ネット―ワーク構築と配慮すべき事項

 

講義では、木材コーディネーターという立場を俯瞰し、
コーディネーターとして不可欠な多様な関係者とのネットワークについて学びました。
 
木材コーディネーターとして、単に木材流通の仲介を行うだけでなく、
全体として持続可能な木材流通の仕組みを築くことが重要であると説明がありました。
 

 
次に、市場の重要性が強調されました。
品質のばらつきや素材の多様性を持つ木材を仕分けする役割を担うからです。
各工程では、高品質・高付加価値を重視する業者や、
大量生産による生産性を重視する業者など、
技術力や収益性の追求方法が多様であると説明がありました。
 
木材製造工程におけるリスクヘッジとしては、
森林資源量の調査が不可欠であると述べられました。
立木の資源量を把握しなければ利益を確保できないためです。
 

 
そのため、原木利用可能性の調査をはじめ、原木調達の難易度、
木材調達のスケジュール、製材のタイミングまで、把握する必要があります。
乾燥工程では、乾燥機のキャパシティや所要時間を把握し、
ロス材を発生させないよう多面的に計画する必要性があるとのこと。
しかし、特殊な寸法の材を発注する際には、
予備材を同時に発注しておく必要があると指摘がありました。
 
印象に残ったのは、次の言葉です。
木材コーディネーターの役割として、
・「木材流通を統括し、流通全体の利益を適切に分配することにより、山元への利益を還元する役割を担う」
・「山元へ還元することで、木材を再生産できる仕組みづくりが重要になる。」
 
その木材コーディネーターの携わる現場には、
山元である川上(生産者)と、消費者側の川下(利用者)という、異なる立場の人々が関わります。
両者は認識や業界用語が違うため、時には意思疎通が難しいことがあります。
そこで、木材コーディネーターは、双方の立場や課題を深く理解し、
そのギャップを埋める「翻訳者」として機能することで、円滑なプロジェクトを実現し、
”山元へ利益の還元し、木材の再生産へ”、つなげていこうとしているのだと、理解しました。
 

【次回】

日時  : 令和7年9月20日(土)13:00~16:40
講師  : 井上淳治(認定木材コーディネーター)
能口秀一(木材コーディネーター)
事務局 : 安田哲也(NPO法人サウンドウッズ代表理事)オンライン
若林知伸、藤田良子
インターン: 小田幸奈
開催地 : 機械振興会館(東京都港区)
内容  : 第1部 開講式
第2部 講師の活動紹介
第3部 ワークショップ