2021/10/12

【レポート】令和3年度木材コーディネート基礎講座第2回

オンライン座学のうち、森林林業分野については水曜日の夜に

開催することになりました。

引き続き、インターン生の齋藤がレポートします。

 

【講座概要】

日時: 令和3年10月6日(水)18:30~20:30
講師: 井上淳治(林業家・認定木材コーディネーター)
事務局: 安田哲也(NPO法人サウンドウッズ代表理事)
藤田良子
インターンシップ生: 齋藤智比呂
開催方法: オンライン

 

【内容】

オリエンテーション (15:00~15:45)
オンライン座学2森林・林業と原木の品質(1) (18:35~20:00)
オンライン座学2ワークショップ (20:00~20:30)

 

<講座レポート 作成者:齋藤智比呂>

 

■森林・林業と原木の品質(2)  育林と木材品質、原木の特性

 

第一部は井上講師による講義が中心です。

まずは、森林・林業に関する法令や、森林に関わるときに確認するべき基本の情報について、森林法改正など、重要なポイントについて触れながら学びました。

 

 

最近の森林管理の課題は次に集約されているように思います。

「今の林業は、シカなどの獣害対策が大変」

「林地台帳の作成を進めるためには、森林の境界の確定が必要」

 

続いて、育林とは何か、育林の方法と木材の品汁の関係について学びました。

 

育林の基本的な作業内容や、ブランド材を例にして、

何のためにどのような森を目指すのか、

そのために必要な木材品質のコントロールについて学びました。

井上講師の言葉は先を見据えた林業家そのものです。

「林業は流行に乗るな、自然に乗れ」

「目標にあった木を植えないと100年の森にはならない」

 

引き続き、立木の品質を左右する要因や、そのコントロール方法、

また、どのような原木に高値が付くのか、その評価項目について学びました。

「適地的木がとても大切」

「立木の成長を枝打ちと間伐で調整する」

 

休憩をはさんで、講義は続きます。

 

 

原木にみられる欠点にはどのようなものがあるか、写真を交えつつ解説していただきました。

また、欠点をもつと考えられる原木も、造材次第でその品質が変わることを学びました。

 

第二部はワークショップです。

「伐採後の森林管理を考える」をテーマに、木材コーディネーターとして

伐採後の森林管理をどのように提案するか、3つのグループに分かれてワークショップを行いました。

現在の国産材の価値が低く、木材を販売した売上だけでは再造林費用を賄うことが難しい、という現状があるため、6万haが皆伐後に再造林されないそうです。

木材コーディネーターはどのような提案ができるのでしょうか?

 

「現状では木材の価格と造林費用が合わないため、採算の取れる仕組みが必要」

「採算が取れるところだけ、植林したらいいのではないか」

「木材を買う側の意識や気持ちが森林所有者に届くような仕組みが必要なのではないか」など

 

様々な意見が出たところで、井上講師からまとめがありました。

 

 

関連する書籍を紹介していただきました。

あっという間の二時間でした。

 

■感想

 

第一部では、いかに付加価値をつけて山の木を提供するか、

「山」と「まち」のコーディネーターに焦点が当たっていたが、

第二部では、その先の森林管理まで考えを広げるワークショップで、

「いま」と「次世代」の森づくりのコーディネートも必要だということに認識を改めました。

 

今、日本では国産材利用の機運が高まっていますが、

再生可能な森の資源を持続的に利用していくには、

伐採後の森林管理もセットで考える必要があります。

 

付加価値を付けた木材の利用から、持続可能な森林管理までを提案できるような

木材コーディネーターになれたらと、思いを新たにしました。

 

【次回について】

日時: 令和3年10月13日(水)18:30~20:30
内容: オンライン座学3森林・林業と原木の品質(2)
講師: 井上淳治(林業家・認定木材コーディネーター)
開催方法: オンライン