2021/10/19
【レポート】令和3年度木材コーディネート基礎講座第3回
本日は、オンライン座学3回目のレポートです。
講座前のちょっとした時間も、早めにログインした方同士の話で盛り上がっていました。
少しずつこの形式に慣れてきたでしょうか。
【講座概要】
日時: | 令和3年10月13日(水)18:30~20:30 |
講師: | 井上淳治(林業家・認定木材コーディネーター) |
事務局: | 安田哲也(NPO法人サウンドウッズ代表理事) |
藤田良子 | |
インターンシップ生: | 齋藤智比呂 |
開催方法: | オンライン |
【内容】
オンライン座学3森林・林業と原木の品質(2) | (18:35~20:00) |
オンライン座学3ワークショップ | (20:00~20:30) |
<講座レポート 作成者:齋藤智比呂>
■森林・林業と原木の品質(2)
第一部はコンパス測量やGPS、レーザー距離計などを用いた森林空間や立木の測定方法、
そしてその活用事例、原木を測定する際に基本となる日本農林規格や
丸太の材積の計算方法を学びました。
「森林の測定」では、森林全体のデータの取得方法やその活用事例の紹介、
「立木の測定」では、単木の測定項目や測定方法、
そこから得た情報を品質データとして活用する方法を講義していただきました。
「原木の測定」では日本農林規格(JAS)に沿った材積計算を実際に行いました。
価値の高い原木は作り出すことができると、講師の次の言葉からわかります。
「どこにどんな木があるか、特徴的なものだけでも把握しておく。
その情報を利用する側と共有することで、山に還元するような木の使い方ができるのではないか。」
「どうやったら価値のあるものをつくれるか?
そのような発想で市場での取引を行うと、変わるのではないか?」
第二部は、ワークショップです。
本日も学んだことをベースにしてディスカッションです。
テーマは「製品から立木を選び造材するために、各工程の作業指示を考える」
製品と立木を結びつけるときには、どのような観点で見ればよいのか、どのような情報が必要か、一人一人意見を出していきました。
第一部で、造材の指示の前に山の情報収集が大事だと認識されているようで、次のような意見も出ていました。
「立木を見て、どのような建材に向いているか見たい」
「樹種、獣害の痕、虫の被害、風害、曲の有無、枝打ちがされているかを確認し、どこの部材に使えるか考えたい」
「その山にはどのように光が入っていて、下草がどのような状態か見たい」
井上講師は「製品と山の木をうまく結びつけて山を見てほしい」とまとめました。
■感想
林業が抱える課題の一つに、求められる品質のものを安定的に、
そして、スピード感をもって供給できないことがあげられます。
今回の講義では森林、立木、原木のそれぞれの段階での情報の可視化と
それをどのように活用するか実例を紹介していただきました。
どの業界でも情報の可視化と共有はとても重要だと思いますが、林業や木材、
それをつなぐ流通ではまだまだこの課題が解決されていないように感じます。
木材コーディネーターは森林や立木、原木の情報を可視化し、
川上から川下まで情報を共有することによって、安定供給とスピード感を持った対応という
課題の解決に貢献できるのではないかと思いました。
【次回について】
日時: | 令和3年10月20日(水)18:30~20:30 |
内容: | オンライン座学4森林・林業と原木の品質(3) |
講師: | 井上淳治(林業家・認定木材コーディネーター) |
開催方法: | オンライン |