2021/10/26

【レポート】令和3年度木材コーディネート基礎講座第4回

本日は森林林業分野のオンライン座学最終日。

前回「立木管理システム」について質問があり、今回事務局が冒頭に解説したため、

講座開始が少し遅くなりました。

また、講座時間について少し早めに終了していますが、演習についての連絡に時間を使いました。

講座の合間に出題される計算問題も、実際に電卓を使って取り組んでいただきました。

 

【講座概要】

日時: 令和3年10月20日(水)18:30~20:30
講師: 井上淳治(林業家・認定木材コーディネーター)
事務局: 安田哲也(NPO法人サウンドウッズ代表理事)
藤田良子
インターンシップ生: 齋藤智比呂
開催方法: オンライン

 

【内容】

オンライン座学4森林・林業と原木の品質(3) (18:35~20:00)
オンライン座学4ワークショップ (20:00~20:20)

 

<講座レポート 作成者:齋藤智比呂>

■森林・林業と原木の品質(3)

 

第一部は、まず、製材のJAS規格表示や寸法精度、製材品の測定について説明があり、
次に林業や木材産業が利用できる融資や補助金、緑の雇用制度について、FSCなどの森林認証制度や産地証明について学びました。

「製材品の測定」では、JAS規格について講義いただいた後、実際に丸太や製材品の材積を計算しました。
その際、例えば12㎝角の製材品を作るのであればどのサイズの丸太が適寸になるのか、そして、
丸太を製材し製品になった際の歩留りについても学びました。

 

 

「各種融資制度、補助制度」では、林業で使える様々な融資制度や補助制度、そして、
「緑の雇用」新規就業者育成推進事業とその課題について解説がありました。

 

 

「森林認証制度」では、森林認証とは何か?森林認証にはどのようなものがあり、
これからどのようになっていくか、どのようにしていくべきか、
SDGsなどの世界的な話題にも触れながら講義していただきました。

 

 

育林に触れた制度があることに気づいたのは、講師の次の言葉でした。
「森林認証制度では伐採後に森に回復していることが保証されている」
「森林認証制度の認知度を上げ普及していく必要がある」
その通りだと思います。

第二部は、ワークショップです。

今回のテーマは、「フェアウッド(森林認証材等)が選ばれるにはどうしたらいいか?」
「フェアウッド」とは伐採地の森林環境や地域社会に配慮した木材や木材製品を指すそうで、
3つのグループに分かれてワークショップを行いました。

「森林認証制度」では、林産物が適切に管理された森林から責任をもって生産されたことを証明しており、
「森林認証制度」が広がることによって再造林を伴わない皆伐や盗伐の減少が期待できます。
しかし、今の日本では「森林認証材」を含むフェアウッドの流通量は少なく、
また、消費者の認知度も低いという課題があります。
では、どのようにすれば、認知度が上がり、消費者に選んでもらえるようになるのでしょうか。
受講生からは次のような意見がありました。
「産地を保証するだけでなく、品質保証も伴うような認証制度にすれば良いのではないか」
「大手企業から義務化をしていき、裾野を広げていくのが良いのではないか」
「認証バッチを配布したり、ロゴを愛されるようなデザインにするなどして、
まずはフェアウッドという言葉になれてもらう必要があるのではないか」

 

感想

今回は、森林認証制度や認証を受けた材の流通についてお話ししていただきました。
主伐再造林が謳われている中で、
皆伐後に再造林が行われているのは全体の3~4割に留まるということで、
国産材を利用することも大事ですが、その材がいったいどのような森から出てきたものなのか、
消費者一人一人が意識することがとても大事だと思いました。
また、森林認証材の流通について、利用量が少ないから在庫を持てず、
在庫がないから利用が進まないという負のスパイラルになっていることを知りました。
まずは、私たち利用する側が森林認証材のことを知り、利用をしていくことが大事なのだなと思いました。

 

 

【次回について】

日時: 令和3年10月23日(土)10:00~17:00
内容: 演習1森林施業と原木の品質(森の見学)
講師: 井上淳治(林業家・認定木材コーディネーター)
開催方法: 現地演習(埼玉)