2021/11/17
【レポート】令和3年度木材コーディネート基礎講座第8回
埼玉での現地演習を終えて、製材分野に入ります。
ここより、講師は能口講師に変わり、本日はオンライン講座6回目です。
【講座概要】
日時: | 令和3年11月11日(木)18:30~20:30 |
講師: | 能口秀一(木材コーディネーター) |
事務局: | 藤田良子 |
インターンシップ生: | 齋藤智比呂 |
開催方法: | オンライン |
【内容】 オンライン座学6製材の役割(2)
オンライン座学6-1:木材の価値と価格 | (18:35~19:40) |
オンライン座学6-2:木取りと木材価値 | (19:50~20:00) |
<講座レポート 作成者:齋藤智比呂>
■木材の価値と価格
製材JASと一言で言っても構造用製材や造作用製材など様々な種類があります。
それぞれにおける製材品等級の種類を学び、特に、
造作用製材についてその品質基準を詳しく学びました。
その後、ウッドショックで原木の値段が上がり製材の値段も上がっている例も交えながら、
流通段階にかかるお金についてエクセルシートを使って具体的に数字を入れて計算し、
山から出てきて消費者に渡るまでのお金の動きを学びました。
印象に残った講師の言葉です。
「流通の各段階でどれくらいの費用がかかっているのか知る必要がある」
「原木がもともと持っている価値と、製材することによって生まれる価値がある」
原木の価値を上げる製材とは、実習が楽しみです。
グループディスカッションの予定でしたが、エクセルシートを使った製材の試算を
しっかり解説交えながら進めたため、スキップして休憩に入りました。
休憩後は、原木と製材品の関係を学ぶと同時に、
木材コーディネーターとして原木と製材品を結ぶため、木を活かした木取りの提案や、
それをどのように造材の情報へ変換し、立木価格へ反映させるか学びました。
また、製材するにあたりどのような原木情報が必要で、
木取りをする際、それに適した原木をどのように選択するのか学びました。
「木口を見ると、その木の素性が見える。
そこから木取りによりとれる製品の合計金額を予測する」
ディスカッションの時間がなんとか取れたので、的を絞ってディスカッションしました。
テーマは「原木が3倍になっている場合に山主にはいくら返すのがいいか」と絞って
ディスカッションを行いました。
■ 感想
今回はいよい山での伐採・搬出から製材を経て消費者に届くまでのお金の流れをみました。
これまで、山でのお金の動きは勉強をしてきましたが、
丸太が工場や市場に行ってから後のお金の流れというのは初めて勉強をしました。
今の林業では、丸太の価値が昔ほど高くなく、山に戻るお金が少ないという課題があります。
では、丸太が製材されて消費者の手元に届くまでの間にどこにどれだけの費用が掛かかり、
最終的な製品はいくらになるのか。そして、その何割が山に戻っているのか。
今回の流通段階毎に係る試算を行うことで少し見えてきた気がしました。
木材コーディネーターは「山とまちの翻訳家」です。
翻訳を行う上で、流通段階のどこにどれだけのお金が掛かっているのか知ることは
とても重要なことだと思います。
今後も、山側、町側での木や木材に関する知識を深めると同時に、
どこにどれだけのお金が動いているのか意識をしていきたいと思います。