2021/11/24

【レポート】令和3年度木材コーディネート基礎講座第9回

製材分野のオンライン講座は2回目です。
盛りだくさんの内容ですが、ディスカッションタイムは取れるのでしょうか?
今日も講座レポートはインターン生の齋藤さんです。
 

【講座概要】
 

日時: 令和3年11月18日(木)18:30~20:30
講師: 能口秀一(木材コーディネーター)
事務局: 藤田良子
インターンシップ生: 齋藤智比呂
開催方法: オンライン

 
【内容】 オンライン座学7製材の役割(3)
 

オンライン座学7:木材の乾燥 (18:33~20:25)

 
<講座レポート 作成者:齋藤智比呂>
 
■木材の乾燥
 
今回は、木材を製品として利用するために重要な乾燥工程について学びました。
 

 
木材を乾燥させず生木の状態で使用すると、時間の経過とともに水分が抜け、
乾燥により収縮し、隙間がなかった場所に隙間が生じたり、
意図しない場所にひび割れが入る可能性があります。
 
また、水分をたくさん含んだ木材は腐りやすく、強度も低いです。
そのような使用上の欠点をなくすために木材は乾燥させてから
使用するのが基本となっています。
 

 
天然乾燥と人工乾燥に分けられ、さらに人工乾燥には
いくつもの目的や条件に応じた乾燥方法があります。
今回は乾燥方法を選択する際にどのような点に考慮すると良いのか、
それぞれの乾燥方法の特徴と合わせて講義していただきました。
 
「天然乾燥では、風の方向を考慮して積むことで乾燥期間を短縮することができる」
「乾燥する材の樹種、寸法、材質によって乾燥方法は異なる」
 
今のところスギとヒノキを中心にして学んでいるのですが、
樹種についても方法が違うことを意識しないといけないと思うところです。
 
水分が抜けて収縮が始まると、木取りによっては変形したり、反ったりします。
乾燥応力や収縮の異方性など、木材が乾燥するときの特性をについて、
乾燥方法の比較では、乾燥方法の違いによる特徴や問題点、
乾燥日数について解説をしていただき、それぞれの乾燥方法の
メリットとデメリットについて学びました。
 

 
 
「何が原因で乾燥がうまくいかないのか?製品を見て判断できる知識が必要」
「乾燥していることが当たりまえの時代になってきている」
納期の都合で乾燥後の養生が軽視されているとの解説もありました。
スケジュール調整は、木材コーディネーターにとってカギです。
 
ディスカッションの時間が取れず質疑応答の時間に変わりましたが、
関心が高いのか盛り上がっていました。
 
 
■ 感想
 
乾燥の勉強は難しく、それぞれの乾燥方法の特徴や乾燥による木材の品質特性など、
学ぶことは多くありますが、その中でも特に、「木材乾燥の工程管理」は
木材コーディネーターにはとても大事な知識だと思いました。
 
これまで国産材があまり使われてこなかった理由の一つに、
安定した品質の木材を安定して供給できないという課題がありました。
これから、国産材を流通、利用していくにあたり、いつまでに、
どのくらいの量の製品を調達できるか明確にすることは、
山と町を繋ぐ第一歩になるのではないかと思いました。
 
 
【次回について】

日時: 令和3年11月27日(土)10:00~17:00
内容: 価値の設定・製造コスト把握
講師: 能口秀一(木材コーディネーター)
開催方法: 現地演習(兵庫県・丹波)