【レポート】令和4年度木材コーディネート基礎講座第8回

製造流通分野も3回目です。兵庫演習前の最後の座学です。
本日のレポートは、事務局の藤田よりお届けします。
 
【講座概要】

日時: 令和4年11月16日(水)18:00~20:30
講師: 能口秀一(木材コーディネーター)
事務局: 下前仁美、藤田良子
開催方法: オンライン

 
【内容】

講座前 ワークショップ(ディスカッション) (18:00~18:30)
第一部 ディスカッション結果の発表 (18:35~18:45)
第二部 製材の役割(3) (18:45~20:25)

 
■第一部 ディスカッション結果の発表
 
本日のテーマは、「木材流通の各工程における役割とその適正な対価について、
木材コーディネーターはどのように判断するのか?」でした。
 
製材品は製材にかかるコストより製材所が値段を決めるが、
伐採によってできた原木は市場で買い手によって価格が決まっている。
森林所有者が丸太・木材の値付けに関与できない現在の仕組みについて、意見が飛び交っていました。
 
また製材のコストも人件費が中心となっていて、
熟練した方による製材かどうかも価格に影響することが見えてきたようです。
 
ディスカッションで受講生それぞれ気づきが増えたようでした。
製造流通の工程では、木材コーディネーターとして手間をかけるところと省くところ、
費用対効果を考える必要があると、講師からコメントがありました。
 
 
■第二部 製材の役割(3)
 
木材の乾燥は、強度を高めるだけでなく加工性を高めるなどメリットが多いですが、
乾燥による損傷や収縮変形は致命傷です。
 

そこで比較的簡易な天然乾燥と、普及し始めている人工乾燥の説明がありました。
天然乾燥は、桟積みなどを工夫した風通しによる乾燥ですが日数がどうしてもかかります。
人工乾燥は、木材内部の温度を上げることにより乾燥を促進するものですが、
人工的に温度を加えることによって劣化も生じやすくなります。
そのデメリットを把握して取り組む必要があると解説がありました。
 
もう一つ大切なのは、含水率計を使いこなすことです。
測定可能の深さや節を測定したときの特性を知ることで、
本当に乾燥できているのか見定めるか判断していく必要があります。
含水率をチェックする仕組みが機種によって異なることを理解しておくことも重要です。
 

また、含水率にばらつきがある木材を一緒に人工乾燥すると、仕上がりにムラが生じることに。
人工乾燥機を使うためには、目指す含水率になるように品質管理も大切ですが、
同じくスケジュールやコストも重要になると説明がありました。
 

大型のプロジェクトになると、少し前までは乾燥材の調達がボトルネックになっていた、
乾燥機の普及によって解消されてきているが、まだ地域ごとにばらつきがあるのでは、とのことでした。
 
木材コーディネーターとして地域材の活用を進めるには、
その地域に乾燥機があるかどうか把握することもカギになるかもしれません。
 
 
【次回について】

日時: 令和4年11月26日(土)10:00~17:00
内容: 価値の設定・製造コスト把握
講師: 能口秀一(木材コーディネーター)
開催方法: 現地演習(兵庫県丹波市)