2022/10/14

【レポート】令和5年度木材コーディネート基礎講座第2回

第2回の講座はオンライン開催です。
第1回で親睦を深めたのでだいぶ打ち解けた感じがします。講師への質問もしやすかったのではないでしょうか。
今日のレポートもインターンの伊藤からお送りします。
 

【講座概要】

日時: 令和5年10月7日(土)13:00~16:40
講師: 井上淳治(認定木材コーディネーター)
事務局: 安田哲也
インターン: 伊藤和樹
開催方法: オンライン

 

【内容】

はじめに (13:30-13:40)
第1部 森林・林業と原木の品質(2)前編 (13:40-14:40)
第1部 森林・林業と原木の品質(2)中編 (14:50-15:50)
第1部 森林・林業と原木の品質(2)後編 (16:10-17:00)
質疑応答 (17:00-17:20)
事務局からのお知らせ (17:20-17:30)

 

【講座詳細】

 

第1部 森林・林業と原木の品質(2)前編

 
GPSやコンパス測量、ドローンを用いた森林の測定方法、また立木の測定方法について学びました。
 

 
まずは、森林の測定で用いられるGPSとコンパス測量について説明です。
考慮すべきなのは、地形による測定精度や時間・費用です。
 
実際の森林データの取得方法やその活用方法についての紹介があり、
立木の測定については、使用する単位や立木幹材積表の読み取り方、測定機器について学びました。
 
新しい測定技術が開発されているそうですが、高額だったり使い道に工夫が必要なこともあり、
すぐに現場の効率化につながるとは限らないそうです。
喫緊の課題である森林の境界確定の追い風になってほしいものです。
 
「森林の境界がわかっている人が高齢化しているため、正しく地図に落とし込めないことが生じている」
と講師の説明があり、森林の整備を持続可能にするためにも、経緯を熟知している所有者の高齢化は課題に感じます。
 

第1部 森林・林業と原木の品質(2)中編

 
日本農林規格で定められている原木採寸のルール、原木と製材品の材積の求め方について学びました。
 

 
立木の胸高直径と丸太の直径では、切り上げ・切り捨てのルールが違っていて注意が必要です。
材積計算では、立木、丸太、製品となるにつれて、必要になる小数点以下の値が増えていきましたが、
より精度が求められるのだと理解しておきたいところです。
また、帯鋸や丸鋸、プレーナーなど、加工機の特徴や製材精度の違いについて説明がありました。
 
「木取りにおいて、中身と外身をどう生かすかが、丸太・立木の価値向上につながる。」という講師の言葉は、
木材価値を高めるためにも、重要だと思いました。心にとどめておきたいものです。
 

第1部 森林・林業と原木の品質(2)後編

 
森林に関わる制度として、融資制度や補助制度、森林認証について学びました。
 

 
林業・木材業改善資金や造林、作業道整備で用いる補助金、森林譲与税について説明がありました。
森林譲与税は市町村ごとに使い道が多様であるため、積極的に用途を提案することで、有効に活用することができます。
また平成15年からの「緑の雇用」制度によって林業従事者の減少割合が低下しているそうです。
 
次に、各森林認証制度の違いや森林認証の意義について学びました。
最後は、森林窃盗の罰則規定において、万引きの罰則よりも森林討伐の罰則の方が軽いのはどうしてか、という問題提起とともに本日の講義が終了しました。
 
「ヨーロッパでは森林認証が一般的に広まっているが、日本においても森林認証を普及させる必要がある。」とのこと。
一般の人々にも森林を持続的に守るという意識を持ってもらうためには認証は重要だと思いました。
 
「現在、5万人で約1千万ヘクタールを管理しなければならない。林業従事者が足りない状況である。」
実際の数を知ることで、現在の森林管理の厳しさを再認識しました。
 

質疑応答

 
境界の確定に関すること、各森林認証制度の違い、林業従事者の推移など、
井上講師が強調されていた箇所の質問が多くありました。
次回は演習になりますが、現場に回答がありそうな質問もありました。
 

【次回の講座】

 

日時: 令和5年10月28日(土)10:00~17:00
講師: 井上淳治(認定木材コーディネーター)
事務局: 安田哲也、若林知伸
インターン: 伊藤和樹
開催: 現地演習(埼玉)
内容: 森林施業と原木の品質(森の見学)

 

日時: 令和5年10月29日(日)9:00~16:00
講師: 井上淳治(認定木材コーディネーター)
事務局: 安田哲也、能口秀一、若林知伸、井上峻太郎
インターン: 伊藤和樹
開催: 現地演習(埼玉)
内容: 木材の計算