【レポート】令和5年度木材コーディネート基礎講座第6回

第6回は、第5回より少し時間をおいてオンライン講座です。
本日も、インターン生の伊藤より受講レポートです。
 

【講座概要】

日時: 令和5年11月11日(土)13:30~17:30
講師: 能口秀一(木材コーディネーター)
事務局: 安田哲也
インターン: 伊藤和樹
開催方法: オンライン

 

【内容】

第1部 製材の役割(2)前編 (13:40~14:40)
第2部 製材の役割(2)中編 (14:50~16:00)
第3部 製材の役割(2)後編 (16:10~17:10)
質疑応答 (17:10~17:20)

 

【講座詳細】

 

製材の役割(2)前編

 

 
いよいよ木材の価値と価格について学びます。
製材品等級の種類や流通段階の際にかかるコストの検討から、木材コーディネーターに必要な役割が見えてきます。
 
まず日本農林規格(JAS)による区分をおさらいしましたが、現場ではJAS以上に品質を区分し、その結果価格が変わると説明がありました。
また材面の品質基準として、上小節や小節、並などが区別される節の大きさや数についても学びました。

 
そこで、木材価格試算表が登場です。
山元での立木価格や素材生産コスト、製材コストなど、流通の各段階にかかるコストを一覧に落とし込みます。
原木に対する正しい価値という視点から、木材コーディネーターの役割がわかります。
 
「JASには適用できないもの、JAS区分に収まらないニーズに対して、慣習的な等級は現場に合わせて作られている。」
JASがありながら、地域のニーズに合わせて適宜ルールを生み適応させている現状が理解できました。
 
「木材コーディネーターは、原木に正しい価格が付く仕組みを理解する必要がある。」と能口講師。
埼玉での森林演習も経験したこともあり、原木の正しい価値と向き合うことの重要性をより強く感じました。
 

製材の役割(2)中編

 
木取りと木材価値について、木材価値を高める製材技術や木取りに適した原木の選択について触れます。
 
原木の特徴を見極め適材適所に活かすことを想定しますが、最終的には製材技術が木材の商品価値につながると説明がありました。
そして、生産工場の規模や木材特性に応じた製材の判断ができるかどうか。
木取りをする上での考慮すべき点が山のように示されました。
製材工程の説明があり、各々の工程が木材価値にどのように影響を与えているかを学びました。
 
「小さな工場ではシングルの帯鋸で材を目利きしながら挽くことができる」能口講師は小規模製材所の魅力を熱く語っていました。
「中心定規挽きは中心から平行に製材し、構造用材向け。側面定規挽きは側面に平行に製材するので杢目が通り節が少ない。造作用材向け。」
製材によって適した材の用途に影響を与える点に興味を持ちました。
実際に、兵庫演習で見られるかどうか楽しみです。
 

 

製材の役割(2)後編

 
木材乾燥が必要な理由から、乾燥の種類や設備、木材の品質との関わり、乾燥方法による品質の違いなどを学びました。

 
まず、強度向上や劣化防止から木材乾燥が必要である理由、乾燥収縮について学びました。
次に天然乾燥と人工乾燥に用いられる設備や、乾燥方式の選択や乾燥によって生じる損傷の説明がありました。
最後に乾燥温度による乾燥方法の比較がされ、乾燥による損傷を防ぐ考え方を学び、本日の講義が終了しました。
 
能口講師から「木材乾燥において、ヒノキは一本の木の中でムラが少なく乾きやすく、スギは乾きにくい」と説明がありました。
樹種によっても乾燥状態が異なり、乾燥手法にも影響を与えるということを知りました。
 
その後の質疑応答も盛り上がりました。
 

【次回】

日時: 令和5年11月25日(土)10:00~17:00
講師: 能口秀一(木材コーディネーター)
事務局: 安田哲也
インターン: 伊藤和樹
開催: 現地演習(兵庫)
内容: 木拾い・製材品等級・木取り演習

 

日時: 令和5年11月26日(日)9:00~16:00
講師: 能口秀一(木材コーディネーター)
事務局: 安田哲也
インターン: 伊藤和樹
開催: 現地演習(兵庫)
内容: 製材体験・歩留まり計算