【レポート】令和5年度木材コーディネート基礎講座第7回

第7回は兵庫県丹波市に会場を移して演習です。
かなり冷え込んだ中での講座です。
本日も、インターン生の伊藤がレポートします。
 

【講座概要】

日時: 令和5年11月25日(土)10:00~17:00
講師: 能口秀一(木材コーディネーター)
事務局: 安田哲也
インターン: 伊藤和樹
開催地: 丹波市立幸世交流施設、有限会社ウッズ

 

【内容】木拾い・製材品等級・木取り演習

第1部 木拾い解説 (10:15~10:50)
第2部 目視等級 (11:00~12:00)
第3部 原木選び・木取り (13:00~15:30)
第4部 木取り検証 (15:40~16:55)

 

【講座詳細】

 

第1部 木拾い解説

 
設計図面から、現場で使われている部材名やどの部材がどのような寸法で準備する必要があるのか学びました。
 


設計図面からの木拾いが宿題だったのですが、その際生じた疑問点や不明点をグループで共有しました。
グループごとに疑問点を共有したうえで、解説がありました。
能口講師から、用途に応じて必要になる製材の考え方を学びました。
 
「製材しようとして原木を選ぶ際、大きめの材を選択することがあるが、必ずしも木材活用や製材工数の観点から効率が良いとは限らない。」と聞いて、
前回の森林演習で学んだ木材価値を高めるための重要な視点であると思いました。
 
「山、製材それぞれの立場で番付されており、全体を見て木材を評価できる人がいない」と能口講師。
全て欠点がないものだけが「良いもの」ではなく、用途に応じた木材を選べることで、木材の価値をより高めることができることになるのだとわかります。
 
 

第2部 目視等級

 
製材所内の設備を見学し、実際の製材品からJASで定義されている材面の等級を学びました。


 
まず原木置き場では、今回の実習で製材を行う原木の紹介や、前回の森林演習ともつながる話がありました。
次に製材機の場所へと進み、皮むきされた原木がどのように製材品になっていくのか、製材工程の説明がありました。
参加者の皆さん、普段見ることのない製材機に興味津々の様子でした。
 
「シングルの帯鋸は一面ずつ木材の様子に合わせて製材ができるため、木の価値向上につながる」と製材機の解説がありました。
シングル刃の製材の強みは木材を見る目を持つことで活かすことができ、木材価値に直結することに興味を持ちました。
 
「原木の木口から“あて”や“年輪の幅”を確認し、どのように製材するか判断する」
木口に現れる小さな特徴を見つけるのはとても難しく感じました。経験が必要です。
 
 

第3部 原木選び・木取り

 
欲しい製材が取れる原木を選ぶ「製品→原木」パターンと、
既に調達している原木から歩留まりよく製材を取る「原木→製材」パターンの
2つのパターンで原木選択を経験し、選択した原木をもとに木取りを学びました。


 
まずは、班ごとに指定された寸法の梁桁に適した原木を選択します。
次に、並べてある原木の曲がりやキズなどを見て、製材する原木を選択しました。
つまり、木口や樹皮にある節の状態から原木の品質を見極める必要があります。
皆さん苦戦されていました。
最後に班ごと、選択した原木からどのように木取りを行うか、話し合いながら検討をしました。
 

「芯ありの材を取るとき、中心がずれると片方に沿ってしまうため、芯が材の中心を通るようにする。」
製材した結果、将来木材が沿っていくのかを考える必要があることを知りました。
 
「製材の品質を見極めるときは、山の立木を見れば分かる。」
森林演習で学んだ立木に生じる欠点と直接つながっており、特に印象に残りました。
 
 

第4部 木取り検証

 
選択した原木の大きさや用途によって変わる木取りの考え方を学びました。


 
公民館に戻り、班ごとに選択した原木とその木取りを振り返り、全体で共有しました。
同じ大きさの原木でも木取りの仕方、製材の意図が異なったり、
原木選びの段階で大きな原木を選び特徴的な木取りを考えたりなど、様々な案が出ていました。
 
「伐採時にグラップルでつかむなどして、せっかくの価値をつぶしてしまうことがある。
伐採時にどのような注意が払われていたかどうか、それは製材をしてみると分かる。」
製材を知ることで、別の視点を持って立木伐採の現場に立つことができ、
このような多角的な視点が木材コーディネーターに必要とされていると思いました。
 
「製材所が「大量生産型」か「小規模型」によって、木取りの方法が変わる」
日本の木材産業では、この2種類の製材所が異なる役割を担っていてそれぞれ必要だと思いました。
 
 

【次回】

日時: 令和5年11月26日(日)9:00~16:00
講師: 能口秀一(木材コーディネーター)
事務局: 安田哲也
インターン: 伊藤和樹
開催: 現地演習(兵庫)
内容: 製材体験・歩留まり計算