【レポート】令和5年度サウンドウッズチャンネル第3回
令和5年度サウンドウッズチャンネル第3回、認定木材コーディネーター公聴会を開催いたしました。
【開催概要】
日時: | 令和6年1月20日(土)16:00~17:30 |
発表者: | 上田純和(平成30年度修了生・富山県) |
ゲスト評価委員: | 赤堀楠雄(林材ライター) |
評価委員: | 井上淳治(認定木材コーディネーター) |
能口秀一(木材コーディネーター) | |
司会進行: | 安田哲也(NPO法人サウンドウッズ代表理事) |
事務局: | 藤田良子 |
開催方法: | オンライン |
【プログラム】
第1部 申請者の活動紹介 | (16:05~16:20) |
第2部 申請者に対する質疑応答 | (16:20~16:50) |
第3部 全体討論・視聴者からの質疑応答 | (16:50~17:30) |
【内容詳細】
第1部 申請者の活動紹介
准木材コーディネーターであり一次審査を通過した上田さんより活動の発表がありました。
北洋材を輸入する業態が多く、県産材は品質が低いとされてきた富山県。
「とやま県産材需給情報センター」を立ち上げて、建築用建材として利用できるよう、
センター中心に製材事業の底上げを図り、民間需要に応じて木材を供給していった経緯を熱く語っていただきました。
また、会社に所属しながら出向者として、センターの中でコーディネートを進めていくポジションは、
多くの視聴者の関心を集めたようです。
第2部 申請者に対する質疑応答
評価委員より資金繰りについて質問がありました。
これまで、中大規模木造施設は公共事業案件が多かったのですが、民間需要の場合は資金繰りが肝要になるとのこと。
特に中大規模の木造施設は、建築が始まるまでの建材準備に多額の費用が必要だからです。
幹事会社の引き受けの仕組みについては、評価委員も新しい仕組みに関心を寄せていました。
また、今後のセンターの運営や、山元への還元についても質問がありました。
乾燥機やグレーディング機械の導入が進み、県産材のイメージが向上しているのは素晴らしいとのこと。
現場の価値ある造材を目指す意識も重要だが、
土場での選別・品質の仕分けがさらに評判を上げることになると、アドバイスがありました。
視聴者からは、どのようにして関係者をまとめていったのか、質問がありました。
そこは、上田さんの人間力のなせる業でしょうか、関係者との非公式コミュニケーションだと明かしていただきました。
第3部 申請者に対する質疑応答
今年のテーマは「個の利益、全体の利益」
インタビュアーは赤堀氏。
参加している認定木材コーディネーターに、プレーヤーでありながらどのように全体の利益を生みだして、
利益を分配しているのか上手にたずねていきます。
コンサルフィーを確保しやすい立場、仕入れと売上の差益に盛り込む立場、
いかに森林資源をうまく活用するか提案することで、各プロジェクトでの費用のかけ方を見直していただく立場など。
コーディネート料を独立していただくのは、まだまだ難しい様子が伺えます。
全体の無駄を省く工夫によってコーディネート料を確保していくことができるのでは、と評価委員。
そこには、それぞれのやり方で、木材コーディネートを通して山元に利益を還元して持続可能な森を育てていきたいと考える
木材コーディネーターたちの思いがにじみ出ていました。
最後に、赤堀氏から、今後民間需要による非住宅建築が盛んになると少し先を見通したうえで、
資金繰りの仕組みが重要になるのでは、と感想がありました。
木材コーディネーターは森林資源のコーディネートだけでなく、資金繰りのコーディネートも視野に入れ、
工夫していく必要がでてくるのでは、
と視聴している未来の認定木材コーディネーターにアドバイスを贈りました。
※本日の発表の様子は資料につきましては、こちらをご参照ください。